普段は、スケートボード雑誌の編集に携わりながら、プライベートではパンダを偏愛するライター・編集者の小澤千一朗さん。

 パンダの真似をするだけで、人生が明るくなる!? という、小澤さん。見いだした「パンダメンタル」とは?


所作を真似するだけで気持ちが楽に。“パンダメンタル”を学んでいます


左から:桃浜(とうひん・♀)、桜浜(おうひん・♀)。 2014年にアドベンチャーワールドで生まれた双子のパンダが桜浜と桃浜。写真は2016年頃。

 パンダに会うために、7年前から月に一度、東京から和歌山県のアドベンチャーワールドに通っています。

 ここには日本最多の6頭が暮らしていて、飼育エリアも広いんです。

 行った際は開園から閉園までパンダに釘付け。ずっと見ていても飽きません。


左から:結浜(ゆいひん・♀)、良浜(らうひん・♀)。 母、良浜と娘の結浜。アドベンチャーワールドにいる桜浜、桃浜、結浜、彩浜の4頭は、すべて永明(父)と良浜の子ども。

2018年に生まれた末っ子の彩浜をくわえた、母の良浜。大人になると体重は100kgを超える。

 中でも心を鷲摑みにされているのが、メスの桜浜。2014年に生まれた双子のうちの1頭です。

 性格はマイペースで天然。

 ほかのパンダは竹をより好みするんですが、みんなが見向きもしなかった竹を飼育員がこっそり桜浜に渡すと、バクバク食べる。


足を前に投げ出して座る姿が愛らしい。「両脚の間から尻尾が出るのもかわいいんです」(小澤さん)

 食べられるならなんでもいいよ! っていうおおらかさにいつも癒されています。


「体がやわらかいのも特徴。高い所から落ちても怪我をしにくいんです」(小澤さん)

「氷や雪が大好き。雪が降るとテンションがあがります。ほかに水遊びもお気に入りです」(小澤さん)

どこか諦めているようなパンダ


「木に登ったときは要注目。高確率でかわいいハプニングが起こります」(小澤さん)

 パンダのことは好きというより、尊敬しています。

 人間とは真逆のメンタルは憧れでしかない。

 例えば、パンダは木登りは得意でも下りるのが苦手。かなりの確率で、途中でドテッと落ちてしまう。

 その落ち方が「もういいや、落ちちゃえ!」って感じで、どこか諦めているように見えるんです。


ヤバッ! うまく下りられない! 「ハプニングの予感がします。うまく下りられず、転がり落ちてしまうかも……」(小澤さん)

 こうした“なるようになるさ”みたいな気の持ちようを、僕は勝手に“パンダメンタル”と呼んでいます。

 パンダの気持ちでいれば、イラッとしない。その所作を真似するだけでも気分がよくなるから不思議です。


石に腰掛ける後ろ姿は、職場の人間関係に悩んでいる人のよう。「哀愁の漂う姿がたまりません」(小澤さん)

「人前でグターッとできるような、空気を読まない自由な感じがスゴいし、心底羨ましいです」(小澤さん)

 くちゃくちゃと音を立てながら笹を食べるように、僕も棒切れのようなもので真似してやってみる。

 四つ足で不恰好に走ってみる。僕はできることならパンダになりたい。


なにげないしぐさが人間らしい。「まさか、うそ泣きをしてる!?」(小澤さん)

 パンダになって自由に生きられたら最高です。

◆小澤さんのパンダ愛が詰まった写真集


左から:『ADVENTURE WORLD PANDAS ハロー 彩浜とパンダファミリー』(エムピージェー) 1,500円 『HELLO LITTLE アドベンチャー ワールドで生まれたあかちゃんパンダの奇跡』(徳間書店) 2,700円。


小澤千一朗(おざわ せんいちろう)さん

ライター・編集者。スケートボードマガジン『Sb Skateboard Journal』を定期刊行。近著ADVENTURE WORLD PANDAS ハロー 彩浜とパンダファミリー』など、パンダの写真集やDVDも手がけている。

Text=Hiroya Ishikawa
Photographs=Kenji Nakata、Masaru Tatsuki