食べるそばからほろほろと崩れる、伝統菓子「ポルボロン」

 修道院では中世の頃から、お菓子を作る伝統があります。

 何世紀にもわたって大切に守られ、そして継承されてきたレシピは、決して豪華絢爛なお菓子ではありませんが、どれも素朴で優しい味わいです。

 修道院のお菓子を求めて、スペインの地を訪ね歩いた料理家の丸山久美さんに、自宅で簡単に作れるレシピを教えてもらいました。

 今回は、スペインにあるクララ会の修道院で生まれた「ポルボロン」というお菓子を紹介します。



コロンとした形も愛らしい「ポルボロン」。

 ポルボロンは、中世の頃に、お菓子作りが得意と言われている会派「クララ会」の修道院で生まれたとされるとても古いお菓子です。

 スペイン南部からスペイン全土に広がり、今ではなくてはならない代表的なお菓子になりました。

 簡単に作れるので季節を問わずに食べて欲しいお菓子ですが、スペインではクリスマスに最も多く食べられます。

 ひとつずつ紙に包まれて売られていて、ほろほろと崩れてしまったら、紙の中で粉をまとめながら食べます。そう、ポルボとは粉の意味なのです。

 甘くて深みのある味わいのアーモンドパウダーを使うと、いっそうおいしくなります。

 ラードだけで作るのがスタンダードですが、ここではバターを加えてよりリッチな味わいに仕上げました。

「ポルボロン」のレシピ


最初に薄力粉を炒ることで、香ばしい食感に。粉砂糖をたっぷりかけて、かわいらしい見た目に仕上げましょう。

■材料(10個分)

・薄力粉:50g
・アーモンドパウダー:50g
・バター(無塩):25g
・ラード:25g
・粉砂糖:50g
・シナモンパウダー:少々
・レモンの皮(すりおろし):1/4個分
・粉砂糖(仕上げ用):適量

■作り方

(1) バターは室温に戻す。

(2) フライパンに薄力粉を入れて中火で熱し、きつね色になるまで炒る。粗熱を取り、アーモンドパウダーと一緒にふるう。

(3) ボウルに(1)とラードを混ぜ合わせ、粉砂糖とシナモンパウダーをふるいながら加える。(2)とレモンの皮(すりおろし)も加え、さらに木べらまたはスパチュラで混ぜる。手でパラパラになった生地をひとまとめにして、高さ1.5cmになるように四角く成形してラップに包み、冷蔵室で30分ほど寝かせる。

(4) (3)を直径4cmほどの抜き型で抜く。崩れやすいので、めん棒で成形しながら抜く。


ほろほろとした生地なので、めん棒で何度かのばしてまとめると型抜きしやすい。型がない場合は小さめなコップの縁などを使って。

(5) (4)をオーブンシートにのせ、150度に予熱しておいたオーブンで15分焼く。オーブンから出して冷まし、粉砂糖(仕上げ用)をまんべんなくふる。

丸山久美(まるやま くみ)

料理研究家・スペイン料理研究家。料理教室「mi mesa」主宰。スペインのマドリードに14年間滞在し、現地の料理を学ぶ。帰国後は料理雑誌の編集者を経て、料理研究家として雑誌やテレビ等で活躍。著書に『修道院のお菓子』(扶桑社)や『本当に美味しいフライドポテトの教科書』(KADOKAWA)など多数。
http://k-maruyama.com/
Instagram:@kuu_maru

文・写真=丸山久美