豊富な経験と知識を活かして、その道のプロが読者のお悩みに答えるこの企画。今回は、弁護士法人東海総合の久野先生にお聞きしました。

 

■今回のお悩みはコチラ

「名古屋市内に住む、大学生です。この間、Twitterで“歩行者は右側通行!と怒られた”という友達のツイートを見かけました。それを見て、むしろ車が左側通行なので、歩行者も左側通行なのではないのかなと疑問に思っています。ですが、そもそも歩行者の通行に関するルールなど法律的にあるのでしょうか……?」

 

■回答:「歩道がある道路」と「歩道がない道路」で違いあり

法律では歩行者は左側通行は違反なの?

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法律上で、歩行者は“右側”と“左側”どちらを歩くことになっているのか?

“歩道がある道路”と“歩道がない道路”では違いがあります。

まず、“歩道がない道路”については歩行者は原則“右側”通行です。

ただ、法律ではさらに「道路の右側端を通行することが危険であるときその他やむを得ないときは、道路の左側に寄って通行することができる。」とあり、“左側”通行の例外が定められています(道路交通法10条1項)。

では、“歩道がある道路”ではどうでしょうか?

歩道を歩く場合の法律の規定はありません。

法律上ではどこを歩いてもいいことになります。

歩道では“対面交通”を意識して歩く場所を決めるとよいです。

対面交通とは、自動車と歩行者が対面して通行することをいいます。

これは、自動車と歩行者がお互いを発見しやすくなるように通行しよう、という考えです。対面通行をする場合、車道が両側通行か一方通行か、自身が歩いている歩道は車道のどちら側かにより、右側通行か左側通行かが変わります。

このように歩道を歩く場合は安全歩行に気をつけてください。

相談者は「歩行者は右側通行!」との友達のツイートを見て疑問に思われたそうですが、“歩道がある道路”と“歩道がない道路”で違いがあることになります。

「歩きスマホ」にもご注意を

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“歩きスマホ”をする人や前を見ずに歩いている人が目立ちます。

現状では歩きスマホは違法ではありませんが、万が一ほかの人と衝突し、怪我を負わせてしまったり、死亡させたりすると、多額の損害賠償請求をされるおそれがあります。

近年、歩きスマホの危険性が叫ばれるようになっておりますが、現時点で、日本においては、歩きスマホを規制する法律はなく、歩きスマホをしたとしても罰金を課せられることはありません。

しかし、法律による罰金の規定がないとしても、歩きスマホによりほかの人に怪我等を負わせた場合には、相手から損害賠償請求をされる可能性があります。

具体的には、歩きスマホによって周囲への注意が散漫になり怪我を負わせてしまった場合などは、民法上の不法行為に該当する可能性があり、損害賠償請求をされるおそれがあります。

衝突によって相手が転倒し、頭を打って亡くなることも十分ありうるので、損害賠償の額が多額に及ぶこともあります。

以上のとおり、歩きスマホによってほかの人に怪我をさせたりしないよう歩きスマホはやめる方が良いでしょう。

 

いかがですか?

今回は歩行者の路上でのルールについて全般的に解説していただきました。いずれにせよ路上を歩行する際には、前方に注意して迷惑行為にならないよう気を付けていきたいですね。

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