【RCC坂上アナ】「忍者」のような活躍の廣瀬コーチに期待

【RCC坂上アナ】「忍者」のような活躍の廣瀬コーチに期待

 1年ぶりの「背番号26」のユニホーム姿に何の違和感もなかった。今にもバットを持って打席に向かいそうな雰囲気である。現役時代とシルエットは変わらない。ファンに愛された、もみあげスタイルもそのままである。

 このたび、カープの外野守備・走塁コーチに就任した廣瀬純さんである。RCC野球解説者としての1年間はあっという間に感じられたが、実に濃密だった。オープン戦では、放送席に入り実況と解説の練習をしたのは良い思い出である。しかも、2試合続けて徹底的に放送の練習をするストイックさは選手時代さながらだった。

 その真摯(し)な取り組みには、こちらも背筋が伸びるような思いだった。新聞紙面を丁寧に切り抜き、必要なデータを自分で消化しながらノートにまとめていた。系列局のアナウンサーに声の出し方のアドバイスを求めることもあった。

 最も印象深いのは、5月21日に三原市民球場で開催された2軍戦のことである。早朝に新幹線に乗り、向かったのはドーナツ店だった。レジに運んだのは「44個+2個」のドーナツ。44個は、チームはもちろんスタッフへの差し入れも含まれていた。そして、2個は私へのものであった。

 グラウンドでは、取材もすれば、選手の相談にも乗っていた。気がつけば、対戦相手のベンチでも野球の勉強をしていた。始球式では、自分でシナリオを考え、打席の来賓が驚くような快速球を投じた。

 取材者であり、野球人であり、極上のエンターテイナーであった。さらには、この1年間、良い父親であったようでもある。家族にカレーを作ってからスタジオの生放送に臨んでいたこともあった。

 八面六臂(ぴ)の活躍は、テレビ番組のはまり役でもある「忍者」のようであった。どんな仕事でも、どんな試合展開でも、明るく楽しく解説する姿勢からは「あきらめない姿勢」を学ばせてもらった。

 秋季キャンプ、コーチになった廣瀬さんの背中は、まだ新しいユニホームではなかった。しかし、背番号「26」の白い生地の上には、フェルトペンで小さく「75」と記されていた。新背番号である。この番号が、さらに大きく見える日を放送席から楽しみに待ちたい。



 坂上 俊次(さかうえ・しゅんじ)1975年生まれ、兵庫県出身。99年RCC入社。RCCカープナイターでテレビ・ラジオの野球中継を担当。これまで広島・野村謙二郎、前田智徳、ヤクルト・宮本慎也と3度の2000安打達成の場面を実況。著書「カープ魂 33の人生訓」(サンフィールド)がある。2級ファイナンシャルプランニング技能士の資格を持つ。

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