【横山竜士】誠也は年間フルで戦える体力を

【横山竜士】誠也は年間フルで戦える体力を

 ハワイへの優勝旅行に出発する前、カープ主力選手の契約更改が始まった。リーグ連覇に貢献できた選手はそれなりのアップ額を手にして笑顔を見せていたが、シーズン途中のアクシデントでリタイアした鈴木の胸中は複雑だったと思う。

 8月下旬までに打率3割、26本塁打、90打点をマークし、キャリアハイの数字を叩き出すかに思えた矢先、横浜でのDeNA戦で右足を負傷して退場。シーズン終盤を棒に振ったばかりかCSファイナルも出られず、悔しい思いをした。6000万円から3000万アップの9000万円での更改だったが、普通にシーズンを終えていれば、楽に1億円は超えていたはずだ。

 本人も会見で言っていたように、今回のケガをいい教訓にしてほしいと思う。寒い冬の時期にしっかりケアをしてまず“普通の体”に戻すこと。その上で、1年間フルに戦える体力を取り戻してほしい。そこからが鈴木のリスタートになる。

 リーグ3連覇がかかる来季、個人的には「トリプルスリー(3割30本30盗塁」に近い活躍を期待したい。ただし、これは“タナキクマル”や安部、松山らがしっかりしているのが前提。鈴木を取り巻く彼らが欠けたら、マークがきつくなる。これはヤクルト・山田を見ればよくわかる。

“いい感覚”を薮田忘れるな

 もう一人、契約更改で注目だったのが、今年ブレークした薮田。こっちは243%アップの4800万円で更改し、来季への飛躍を誓っていた。リリーフから先発に回り、15勝3敗、防御率2・58は立派の一語。球団がトップクラスの評価をしたのもうなずける。

 来季は開幕からローテーションの一角として回ることになるが、今年の野村のように、カード初戦で先発する投手になってほしい。そのためには「調子の波」を作らないことが大事だろう。今年つかんだ“いい感覚”を忘れたら、元のもくあみになってしまう。

 巨人・菅野と投げ合って1−0で完封勝ちしたあの試合の感覚をシーズンオフも忘れず、さらなる高みを目指してもらいたい。(評論家=カープOB)

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