「安仁屋宗八傳・沖縄の星8」響いた爪の負傷(後編)

 【安仁屋宗八傳8】(後編)

 この快挙に沖縄は沸きに沸いた。那覇港に凱旋した一中ナインを一目見ようと那覇市民が押し寄せた。その際、一中の校長先生が揮毫(きごう)したのが「驚天動地」の4文字だった。

 沖縄の伝統校のプライドが込められた言葉なのだ。もっとも沖縄勢はこの年から39年間、九州勢に負け続けている。

 ところで、安仁屋の顔色が決戦を前にどことなくさえない。実はケガをしていた。

 大会前の練習中。フリー打撃をしていたが、ボールが頭部を襲った。とっさに両手をヘルメットにやって防御したが、イタッ。右手を直撃した。見ると右手人さし指の爪が二つに割れていた。

 準決勝戦は散々だった。なんとか七回まで1失点に抑えていたが、八回に力尽きた。2失策も絡んで大量5点を奪われた。終わってみれば、被安打「8」。0対6の完敗だ。

 安仁屋は「調子は悪くなかったし、思うように投げた」と振り返り、こう続けた。

 「試合中たまたま、審判に『ボールに血がついているぞ』と言われて、それが自分の中で気になった。負けるべくして負けた」

 主砲翁長には3安打を浴びた。打線は首里のエース比嘉の前に散発2安打だった。新興校は伝統校の前に膝を屈したのだ。

 首里高は優勝した。翌年、安仁屋の沖縄高校は“本物”の決勝戦で再び首里高と対戦する。=敬称略=

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