「伝説のスカウト・木庭教24」したたかさ(後編)

 【伝説のスカウト・木庭教24】(後編)

 無論、木庭には「正田は通用する」という手応えがあるから強行指名した。だが成功する保証はできない。空手形は出せない。

 木庭の決断と、正田自身の決断。正田は答えた。

 「会社は自分が説得します。そうしてでもプロに行きたいです」と。84年にはロサンゼルス五輪の日本代表二塁手として日の丸を背負い、のちに首位打者2回、盗塁王1回を獲得するだけの芯の強さを、正田はプロ入り前から持ち合わせていた。

 こうした芯の強さもまた、木庭好みのものだったが、他ならぬ木庭自身、そんな気性の激しさを内在させたスカウトだった。当時、中国新聞の広島担当記者だった永山貞義はこう振り返る。

 「普段はとにかく冗談ばかり言い、若い記者やチーム関係者をけむに巻く人だった。話題も政治や経済など野球以外も多い。自然と人も寄ってくる。だが肝心の野球の話、ドラフトなどは一切口にせず漏らさない。いわば柔らかさと厳しさの両極端がある人でしたね」

 チームはやがてお荷物球団の歴史を拭い、Aクラス常連に。川口、大野、高橋慶彦、正田…。木庭が一本釣りした選手たちがグラウンドで雄姿を披露する時代になっていた。=敬称略=


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