巨匠・ヒッチコック監督(前編)

巨匠・ヒッチコック監督(前編)

 英国紳士に勧められて苦味よりも酸味が強いアメリカンコーヒーというものを初めて飲んだ。紳士とは誰あろう映画界の巨匠ヒッチコック。駆け出しの芸能記者だった島久夫にとって、横浜港に停泊中の船の中で飲んだコーヒーは忘れられない一杯となった。=敬称略=

 生まれて初めて「アメリカンコーヒー」を飲んだのは、横浜港に停泊する客船の中である。テーブル席の目の前には恰幅(かっぷく)のいい英国紳士。彼に勧められて飲んだのだが、その人とは誰あろう、映画界の巨匠、アルフレッド・ヒッチコック監督だった。

 この人がヒッチコックか−。写真で見る、あのままのシルエットだった。自身が監督した映画ではどこかのシーンにさりげなく出てきて、それを見つけるのが楽しかったし、テレビの「ヒッチコック劇場」では解説で登場していて、その容貌は日本でも広く知られていた。だが当の本人を目の前にするのはもちろん初めてのこと。不思議な感覚だった。

 そして私は眠かった。横浜港に着いたのが朝7時くらい。自宅のある東京・吉祥寺を出たのが、始発があるかないかの時間帯だったから。ほとんど寝ずにスポーツ紙の映画記者5、6人と合流して、客船に乗り込んだ。

 たまたまヒッチコックが来日するという連絡が関係者からあったのだ。ホテルでの記者会見などという大げさな話ではなく、ざっくばらんな、お茶会という雰囲気だった。※(中編)に続く



【1960年代】ヒッチコック

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