貴ノ花初優勝(前編)

貴ノ花初優勝(前編)

 1975年大相撲春場所千秋楽。大関貴ノ花が決定戦の末、横綱北の湖を破って、悲願の初優勝を決めた。大阪府立体育会館、ひいては浪速の街がかつてないほど沸きかえった。いやそんななまやさしいものではない。日本中の相撲ファンを狂喜させた。元相撲担当・加藤善巳がその舞台裏を振りかえる。=敬称略=

 結果的に脇役に回った北の湖から始めよう。既に大関時代から「憎たらしいほど強い」といわれ、その相貌もどこかいかつく、とっつきにくい感じだ。しかし、事実は逆で、人見知りはせず、聞けばなんでも答えてくれるきさくな人柄だった。場所後の打ち上げの際には、あの巨体が目の前に鎮座して、ビールを間断なくつがれて往生したこともある。

 そんな男が、その春場所前のけいこ場で、憮然とした表情で、若い者にアゴをしゃくった。けいこ場で新聞を読んでいる男を追い出せというのだ。口にこそ出さないが「神聖なけいこ場をなんと心得ている。けいこを見に来て、新聞を開くのは失礼じゃないか」の意味あいがこもっていた。

 それから日をおかず阿倍野区の二子山部屋のけいこ場を訪ねた時のことだ。今度は、小生が追い出される羽目に…。※(中編)に続く



【1970年代】貴ノ花

おすすめ情報

デイリースポーツ スポーツ・エンタメの現場の他の記事もみる
主要なニュースをもっと見る
社会のニュースをもっと見る
経済のニュースをもっと見る
政治のニュースをもっと見る
国際・科学のニュースをもっと見る
エンタメのニュースをもっと見る
スポーツのニュースをもっと見る
トレンドのニュースをもっと見る
生活術のニュースをもっと見る
地域のニュースをもっと見る

エンタメ アクセスランキング

ランキングの続きを見る

エンタメ 新着ニュース

新着ニュース一覧へ

総合 アクセスランキング

ランキングの続きを見る

東京 新着ニュース

東京の新着ニュースをもっと見る

東京 コラム・街ネタ

東京のコラム・街ネタをもっと見る

特集

特集一覧を見る

記事検索