長嶋監督辞任劇(前編)

長嶋監督辞任劇(前編)

 長嶋茂雄は多くの人の夢と希望を背負った戦後復興のシンボルだった。監督として燃える男は1979年、2度目のBクラスという苦汁をなめた。その屈辱を晴らすため秋に、地獄の伊東キャンプを敢行した。明けて翌年は3位。Aクラスなら監督続投だったはずのシナリオから一転、長嶋は巨人を去った。番記者だった岡本清が一枚の写真を手に辞任を回顧した。

 手元に1枚の白黒写真がある。伊豆半島最南端の石廊崎で、他社の先輩記者を挟んで28歳の私と43歳の長嶋監督が太平洋と向かい合っている38年前のワンショットだ。

 昭和54年秋、地獄と言われた伊東秋季キャンプの休日の1日に、長嶋監督と私たち番記者4人は私の車に乗って、伊豆半島の名所巡りに出掛けた。

 昼食は川奈ホテルで、名物のカレーライスを長嶋監督にご馳走になった。その長嶋監督を少し怪しげな秘宝館なるものに引っ張り込み、目を白黒させたのも今では楽しい思い出だ。

 そして、岬での写真。長嶋監督は目を閉じているが、私の記憶の中ではずいぶん長い間、何もない大海を凝視し続けていた。

 当時の球界では例のなかった秋季キャンプ。近未来の巨人を支える若手を集めて鍛えた伝説のキャンプは、その厳しさに泣き出す選手もいたほどだった。※(中編)に続く



【1980年代】長嶋監督辞任劇

関連記事

おすすめ情報

デイリースポーツ スポーツ・エンタメの現場の他の記事もみる
主要なニュースをもっと見る
社会のニュースをもっと見る
経済のニュースをもっと見る
政治のニュースをもっと見る
国際・科学のニュースをもっと見る
エンタメのニュースをもっと見る
スポーツのニュースをもっと見る
トレンドのニュースをもっと見る
生活術のニュースをもっと見る
地域のニュースをもっと見る

エンタメ アクセスランキング

ランキングの続きを見る

エンタメ 新着ニュース

新着ニュース一覧へ

総合 アクセスランキング

ランキングの続きを見る

東京 新着ニュース

東京の新着ニュースをもっと見る

東京 コラム・街ネタ

東京のコラム・街ネタをもっと見る

特集

特集一覧を見る

記事検索