ミスタータイガース・村山実(前編)

ミスタータイガース・村山実(前編)

 巨人に長嶋茂雄がいた。そして阪神には村山実がいた。その豪快なフォームで長嶋に立ち向かい、阪神ファンを乱舞させた。元トラ番の政岡基則がミスタータイガース・村山を書き尽くす。=敬称略=  

 そう遠くない内にリニア新幹線が開通するという。日本も狭くなった。昔は広かった。東京五輪前、大阪から東京へ上って行くのに汽車で8時間。東京出張となると、3段式ベッドの寝台車で12時間かかった。東京と大阪の対抗心は凄まじく、“商都”大阪は一歩もヒケを取らなかった。今では東京へ出稼ぎに行った友達たちは、そのまま帰らず居ついてしまったけれど。

 東の巨人に西の阪神−。このライバル意識は、今より凄まじいものがあった。この頃巨人には超人気者・長嶋茂雄がいた。神宮の杜から太陽を背負って現れた男である。

 ホームランを打ってスキップをしながらベースを一周し、ユニホームのお尻にバットを入れた監督の水原が帽子を振って三塁コーチボックスで舞った。

 阪神は、それを指をくわえて見ているわけにはいかない。遅れること一年、関大から村山実が入団した。大学時代は長嶋のいた立教に全日本選手権で勝っている。実力では、巨人に負けてはいない。ただド派手な巨人に対して何か張り合う舞台装置はないものか。

 デイリースポーツは時代劇の人気者の市川雷蔵と若きエースの対談を企画した。テーマは何だったか忘れた。一段落したところで雷蔵が説教口調で言った。

 「なァ村山クン、勝負事は戦う前から始まっているんだ。相手に不気味に想わせなければダメだ。キミは目を見せている。そこらへんを考えろよ」※(中編)に続く



【1950年代】村山実

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