山口組の被災者救援活動(前編)

山口組の被災者救援活動(前編)

 兵庫・神戸に本部を置く日本最大規模の指定暴力団「山口組」は、1995年に起きた未曽有の大地震「阪神・淡路大震災」の際、当日朝から被災者のために救援活動を行った。被災したデイリースポーツだけができる報道を目指し、神戸新聞記者時代に山口組を担当した蓑田俊輔が5代目渡辺芳則組長を地震から10日後に直撃取材した。新聞社が暴力団の行動を正当化するのはどうか、と賛否両論渦巻くなかでの決行を生々しく振り返った。

 1995年の1月下旬はひどく寒かった。寒かったと記憶しているだけかもしれない。10日前に発生した阪神・淡路大震災で神戸の町は壊滅的な被害を受けた。その物理的、精神的打撃が寒さを強く記憶させているのかもしれない。

 だが、神戸市灘区の山口組本部へ向かう胸中は、むしろ緊張と期待、そして「果たして収穫はあるのだろうか」という不安がないまぜになり、熱かった。不思議と山口組の本部へ取材に行くという恐怖めいたものはなかった。

 山口組本部はその日、見慣れた光景とは全く違った喧騒に包まれていた。駐車場の入口が開け放たれ内部が見渡せた。

 場内で指揮をとっている幹部らしき人物に「組長に取材で会いたい」と言うと、社名と名前を聞いて奥へ入った。しばらくして「組長が会うと言っている。案内します」とついてくるよう促された。

 渡辺芳則5代目組長は大型トラックの荷台にいた。

 地味なジャンパーに野球帽、およそ日本最大のやくざ組織山口組の組長とは思えない格好でせわしなく段ボール箱を抱えて働いていた。※(中編)に続く



【1990年代】山口組

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