ミスタータイガース・村山実(後編)

 巨人戦の1勝は他チームからの3勝の価値があると言っていた。

 甲子園球場の近くに家を買った。早速、電話を取り付けた。ところが、あろうことか番号が“3279”−。3に泣く。3は長嶋の背番号である。

 当時電話を引くというのは大変なことだった。抽選で当たるのを待ち、幸運に恵まれると債権を10数万円で買わされた。今の価値なら50万か、100万か。まして番号が気に食わぬから文句を言うなど論外である。電話局に断った村山家にはしばらく連絡の方法がなかった。

 長嶋憎しのエピソードとして天覧試合が挙げられる。まるで八百長試合のような好展開になり、阪神は最後、村山を登板させた。4−4で延長戦寸前、阪神ファンの悲鳴を乗せて長嶋が劇的なサヨナラホームランをレフトポール際に放った。

 この世の不幸を一人で背負ったようにマウンドでがっくりうなだれる村山。死ぬまであきらめきれなかったのか。監督のカイザー田中(田中義雄)が「いつまでもそれを言ってはいけません」と諭しても“あれはファウルだ”とガンとして聞き入れなかった。

 猛虎魂をぶつける彼に、肝心の長嶋は、どう思っていたのだろう?区切りの1500、2000奪三振のときには、大げさな三振で村山に花を持たせたが…。それなのに甲子園の引退試合には姿を見せなかった。理由は聞いていない…。(終わり)



【1950年代】村山実

おすすめ情報

デイリースポーツ スポーツ・エンタメの現場の他の記事もみる
主要なニュースをもっと見る
社会のニュースをもっと見る
経済のニュースをもっと見る
政治のニュースをもっと見る
国際・科学のニュースをもっと見る
エンタメのニュースをもっと見る
スポーツのニュースをもっと見る
トレンドのニュースをもっと見る
生活術のニュースをもっと見る
地域のニュースをもっと見る

エンタメ アクセスランキング

ランキングの続きを見る

エンタメ 新着ニュース

新着ニュース一覧へ

総合 アクセスランキング

ランキングの続きを見る

東京 新着ニュース

東京の新着ニュースをもっと見る

東京 コラム・街ネタ

東京のコラム・街ネタをもっと見る

特集

特集一覧を見る

記事検索