長嶋監督辞任劇(中編)

 迎えた昭和55年のシーズンは、それら若手をどんどん起用した。しかし、チームが長年身にまとってきた衣を脱ぎ捨てるのは容易ではない。巨人はもがきながら一進一退が続いた。ペナントレースは前年覇者の広島が独走を続けていた。

 もはや広島のゴールを待つばかりだった10月に入って、私はある主力選手とプライベートで会った際に「おい、監督が危ないらしいぞ」とささやかれた。その選手はそれ以上の詳しいことは知らなかったが、関係者に取材を重ねた結果、確かに監督解任の動きがあることが分かった。

 次期体制も含めた具体的なもので、新監督に藤田元司氏、そして後見役として川上哲治氏が総監督に就く構想だという。ただし、その監督交代人事には一つの条件があった。巨人がその年、最終的にAクラスの3位を確保できれば白紙になるのだと、私のニュースソースは付け加えた。

 10月上旬の時点で3位はやや厳しそうに思えたが、ラストスパートが効き、巨人は最終戦となる広島戦で3位を確定、61勝60敗9引き分けとわずか「1」ながら勝数が敗数を上回った。

 これで長嶋監督の首はつながったのだろうか?しかし次期監督まで名前が挙がった今回の動きが、本当に収まるのだろうか?

 帰社した私はデスクとも相談し「長嶋監督は辞めるのか」と、何とも中途半端な見出しの1面原稿を書いた。「解任」の決定情報はなく、また「留任」も確信できない。我ながら潔くない記事だったが、その時点では去就に触れないわけにはいかず、止むを得なかった。※(後編)に続く



【1980年代】長嶋監督辞任劇

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