怪物・清原和博(後編)

怪物・清原和博(後編)

 甲子園球場の関係者に聞いた。「ブリーデン(76〜78年阪神在籍、“赤鬼”の異名をとり、3年間で79本塁打)が左翼中段まで飛ばしたことはあったが…」というだけだった。

 清原は「これまでのホームランの中で一番飛んだ。昨日誕生日で一日遅れてしまったけど、こんな当たりならいいです。初球は手が出ないほど速い球だったので、勝負球は真っすぐだと思っていた」と無邪気に胸を張った。

 だが、本当のすさまじさを知ったのは、その翌日だった。清原が「このバット見て下さいよ」と差し出した金色の金属バットは、芯のところがボコッとへこんでいた。「中山のボールはすごかったですよ。よくあの球が打てたと思いますよ」。投げた中山もすごいが、それをあそこまで飛ばした清原もすごかった。へこんだバットはその誇りだった。

 清原ほどバットを大事にした男は知らない。高校時代は寝る時も布団の中でバットを抱えて眠った。プロ入り後は、バットをまたいだ記者を怒鳴りつけたという。

 2016年6月、清原は覚せい剤取締法違反で有罪が確定した。プロ野球の野球殿堂入りの名簿から名前が抹消され、甲子園球場内にある甲子園歴史館に飾ってあったPL学園時代のバットなども取り払われたという。

 89年9月23日、ロッテ戦で死球を受けた際に、投手に向かってバットを投げつけた。打者として一番大事にしていたものを投げた。清原の心が何か変わったのではないだろうか。高校時代を追い続けた記者はそう思った。(終わり)



【1980年代】清原和博


関連記事

おすすめ情報

デイリースポーツ スポーツ・エンタメの現場の他の記事もみる
主要なニュースをもっと見る
社会のニュースをもっと見る
経済のニュースをもっと見る
政治のニュースをもっと見る
国際・科学のニュースをもっと見る
エンタメのニュースをもっと見る
スポーツのニュースをもっと見る
トレンドのニュースをもっと見る
生活術のニュースをもっと見る
地域のニュースをもっと見る

いまトピランキング

powered by goo いまトピランキングの続きを見る

エンタメ アクセスランキング

ランキングの続きを見る

エンタメ 新着ニュース

新着ニュース一覧へ

総合 アクセスランキング

ランキングの続きを見る

東京 新着ニュース

東京の新着ニュースをもっと見る

東京 コラム・街ネタ

東京のコラム・街ネタをもっと見る

特集

特集一覧を見る

記事検索