音速の貴公子アイルトン・セナの最期(中編)

音速の貴公子アイルトン・セナの最期(中編)

 結果は、セナがレース終盤に勝負を仕掛けたシケインで2台は接触しストップした。「セナ・プロ抗争」が勃発した有名な鈴鹿事件である。

 そして翌90年10月21日、チャンピオン争いは3年連続してセナとプロストの鈴鹿決戦に持ち込まれた。シーズン前にプロストはフェラーリに移籍し、マクラーレンとのチーム間競争もあって、世界各国から数百人のメディアが集結。パドックは緊迫し、熱気が充満していた。

 さらに日本人ドライバーは2人。鈴木亜久里はラルースにシートを得てフル参戦し、中嶋悟はティレルに移っていた。

 「セナ・プロ」は前年とは立場が逆転していた。優勝が絶対条件のプロストは予選2位位置から好スタート。セナの前に出たが、巻き返したセナは第1コーナーでプロストのインに飛び込んだ。接触。2台のマシンはグラベルに突っ込み砂塵が上がった。スタートからわずか8秒。セナの2度目の王者が決まった。前年に続いて後味が悪い決着となったが、セナのリベンジだった。

 マシンから降り、言葉を交わさずピットに戻る2人。私は第1コーナーまで走って行き、歩きながらセナに聞いた。

 −今の気持ちは?

 「最高だよ。いい気分だ」

 ニコリともせずセナは言い放った。

 科学技術の最先端を行くマシンで競走するF1。しかし、それを操るドライバーは、すごく人間的だった。頂点を目指して争い、いがみ合い、策を弄し、出し抜き、それでいて厚い友情で結ばれている。私はそういうところに魅力を感じ、引き込まれた。※(後編)に続く



【1990年代】アイルトン・セナ


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