カラヤン、大屋政子さん・・・デイリー女性記者第1号が語る取材の日々(中編)

カラヤン、大屋政子さん・・・デイリー女性記者第1号が語る取材の日々(中編)

 取材対象もさまざまになっていった。まれに個人的に別れがたくなった方もいて、友人関係に発展することもあった。故大屋晋三氏と言えば元帝人社長で参議院議員にもなったが、夫人の故大屋政子さんの方が有名だった。

 いつも帝人の生地で作った衣装は奇妙きてれつだっただけに、どこにいても目立った。親しくなって別荘まで招待されたきっかけは何だったか。オペラ好きの夫人にフェスティバルホールで声をかけさせてもらったことだったかもしれない。別荘は巨大だったが、必要以外の場所の電気は消されていて、お化け屋敷のようだった。夕食は質素で、本物の金持ちの哲学を学んだ。

 思い出に生きているのは、歌手の岸洋子さんだ。膠原病のために92年に57歳の若さで亡くなった。東京藝大で声楽を学び、豊かな声量でオペラ歌手の将来を約束されていたのだが、病魔に倒れた。取材をしたのは大阪労音(当時)に出演のため来阪したフェスティバルホールの楽屋だった。

 病は小康状態だったが、心の中に秘められた深い失意が感じられた。「病気が憎いですね」−同年齢と分かりつい口をついて出た私の言葉に彼女は涙を流した。それは誰もが触れない言葉を初対面の人間が心底もらしたことで、慰められた瞬間だったかもしれない。※(後編)に続く



【1950年代】カラヤン

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