カラヤン、大屋政子さん・・・デイリー女性記者第1号が語る取材の日々(後編)

 岸さんとはその後も来阪時には連絡を頂いてお会いした。亡くなられたときはショックを受けた。一方で決して健康体ではない私が、この歳まで生きているのだから神は平等ではないのではとの疑念も湧く。

 柴田仁さんと言っても知る人ぞ知る存在になってしまったが、特に関西在住の音楽家・舞踊家から絶対的な信頼を寄せられた批評家だった。私が大阪・北野高校同窓とお知りになってからは、いつも優しいまなざしで接して下さった。

 「客観的に歴史的に物事を見る」姿勢は徹底していて、大きな影響を受けた。どんなコンサートでも一冊の本を抱えてこられ、休憩時には読んでおられた。

 最近になって柴田さんの幼少時(芦屋在)の思い出話を書いた文章に出会ったが、著者は柴田さんの隣家の方で「朝玄関を開けると、もう仁ちゃんが本を探しに立っていた」とあった。隣家は本の宝庫で、柴田さんにとって無二の場所だったらしい。いかにもほうふつとさせるエピソードにまた涙が出た。

 阪神・淡路大震災で自宅を失われ、晩年は苦難の連続だった。私の病苦も進み、お会いすることがなくご逝去を知った。柴田さんの著書が何冊か書庫にある。手に取れば往時のこと、特に本を持ってホールの階段を上がっていかれた姿が甦る。

 記者としての33年間には、まだいろんなことがあった。「秘密」に類する話もあった。素敵な秘密だった。(終わり)



【1950年代】カラヤン


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