長嶋茂雄のアメリカ珍道中同行記(中編)

長嶋茂雄のアメリカ珍道中同行記(中編)

 最初から波乱だった。ニューヨーク到着が大幅に遅れて、ラガーディア空港発のボルティモア行きの飛行機に間に合わなかった。

 ガランとした夜のサテライトで次の出発まで約4時間の待機だ。

 イスに座っていると、隣に来た若い黒人女性が右手親指を中指と人さし指にニュッと入れながら、左手の指2本を立てた。

 これって日米共通のサインなのか。妙に感心したことを覚えているが、もちろん「ノー」と手を振った。

 ボルティモア空港からイエローキャブで教えられていたホテルを目指した。真っ暗な夜道。やっと着くと、フロントが言う。「日本人はだれもいないね」

 深夜1時を回っていた。部屋の国際電話もなぜか伝わらない。一睡もできなかった。

 午後になって国際電話にチャレンジして、やっとフジテレビにつながった。

 なんと、長島さんの意向でホテル到着後、別のホテルにチェンジしたのだという。

 慌ててイエローキャブでチェンジしたホテルに向かい、冒頭のシーンとなる。この時だけはホッとした。

 ここまで長々と書いたのも、出発前にデスクからの次の言葉があったからだ。

 「原稿は期待していない。長島に名前と顔を覚えてもらえ。来年、担当するかもしれないからな。そばを離れるな」

 長島さんにしっかりとあいさつして、渡米の目的は達したも同然である。だがこう思ったのは甘かった。

 その夜、デスクがこう告げた。「取りあえず前文、本文で70から80行だな。それに雑感を2、3本」

 しかもワールドシリーズ初戦からの観戦記を書けという。タイトルも「ノメリー兄(ニ)のWシリーズ」に決まっていた。※(後編)に続く



【1980年代】


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