「内藤國雄・人生自在流19」昇段の喜びと悲しみ(前編)

「内藤國雄・人生自在流19」昇段の喜びと悲しみ(前編)

 【内藤國雄・人生自在流19】(前編)

 八段に昇格して誰よりも喜んでくれたのは藤内金吾師匠だ。「これでおふくろさんにも喜んでもらえる」と涙ぐんだ。

 内藤少年にプロ入りを勧める時、師匠が「この子は八段になります」と母や兄に言ったのは、単なるはったりではなかった。

 「わしの見立てには間違いはなかった」と誇らしげだった。

 また、これまで知らなかった人から祝電やお祝いの言葉が寄せられたことも「まったく予想していなかったので驚き」だった。

 八段になって間もなくのころ、ある観戦記者の描写が内藤棋士には印象的だった。

 「矍鑠(かくしゃく)とした和服の老人が青年を伴ってやってきた。この2人を見た時、なにか特別な雰囲気が漂っているのを感じた。(中略)あれは、これから真剣勝負に臨む剣士の雰囲気である。長身の青年は佐々木小次郎か」

 A級八段の弟子を抱えて師匠は意気軒高。内藤棋士については「肩で風切るA級八段」の声も聞こえてきた。

 「事実、当時の私は『寄らば斬るぞ』の気概を持って街を歩いていた。ひとかどの剣士になったつもり。体を悪くするほどいつも緊張していた」

 その一方で、気掛かりだったのは師匠の酒量が増えたこと。弟子のA級入りで気が緩んだのかもしれない。

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