金正恩氏がまた激怒…「スッポン処刑動画」の恐怖ふたたび

金正恩氏がまた激怒…「スッポン処刑動画」の恐怖ふたたび

北朝鮮の金正恩党委員長が北東部の咸鏡北道(ハムギョンブクト)一帯の経済部門を視察しながら、またもや部下たちにカミナリを落とした。北朝鮮メディアは今月初めにも、金正恩氏が北西部の新義州(シニジュ)の工場を視察しながら、現場責任者の怠慢ぶりを厳しく叱責したことを報じた。今回は現場だけでなく、内閣と朝鮮労働党経済部や組織指導部など、経済政策の指導部門にも怒りの矛先が向いた。

金正恩氏は3年前、スッポン養殖工場をした際にも管理不備に激怒。支配人を銃殺させ、その視察時の動画をテレビで放映させたことがある。今回、金正恩氏から叱責された幹部たちが、あのときと同じ恐怖に襲われているであろうことは容易に想像できる。

また、金正恩氏は水力発電所のダムを一定期間内に完成させるよう厳命したが、これは深刻な死亡事故を誘発する可能性がある。

国営の朝鮮中央通信は17日、金正恩氏が漁労川(オランチョン)発電所の建設現場、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)第810軍部隊傘下の養魚場、清津(チョンジン)造船所、塩粉津(ヨムブンジン)ホテル建設現場、羅南(ラナム)炭鉱機械連合企業所9月1日機械工場を視察したと伝えた。

それによると、金正恩氏は咸鏡北道の漁郎(オラン)郡にある水力発電所である漁郎川発電所の建設現場で、ダム建設が開始されてから17年になるのに、総工事量の70%しか達成されていない事実を把握。内閣の担当幹部がここ数年、一度も建設現場に出てきていないとの報告を受けて「大変激怒」し、「意気込んで来てみたら、言葉も出ない」「書類いじりばかりしながら、実際的で電撃的な経済組織事業の対策を立てたものはひとつもない」などと叱責した。

金正恩氏はまた、「最近、わが党中央委員会は内閣と各省、中央機関の思想観点と消防隊式の姿勢、無責任で無能な事業姿勢と慢性的な形式主義、要領主義に対して厳しい目で中止している」と警告しした。ちなみにここで言われている「消防隊式」とは、問題発生を受けてその「火消し」に回る、後手後手の姿勢のことを言う。

金正恩氏は続けて、「内閣をはじめとする経済指導機関の幹部もダメだが、党中央委員会経済部と組織指導部の担当課にも問題がある」「このようなことで、どうして党の雄大な経済発展構想を遂行できるのか」として、北朝鮮の政治経済のコントロールタワーである党の各部門に対しても不満を露わにした。

そして気になるのは、同氏が「今のように内閣に任せておいては、代が変わっても完成を見られない」として、党中央委員会の指導の下で来年10月10日までに水力発電所のダム建設を終えるよう厳命したことだ。これは、北朝鮮の悪弊のひとつである「速度戦」につながる可能性がある。万全の安全対策がないまま、無理な工期をごり押しする「速度戦」は、数百人もの死傷者が出る大規模事故を繰り返し生んできた。

今月、金正恩氏が北朝鮮の「革命の聖地」である三池淵(サムジヨン)郡の建設現場を視察した際にも、同氏の背後に死亡事故を予感させる写真が写っていた。

北朝鮮で現場や機関の責任者が金正恩氏からこれほどの叱責を受けた場合、従来なら十中八九、処刑されてきた。しかし、北朝鮮に対しては核問題のほか、人権問題でも厳しい視線が注がれている。そんな中、米韓などとの関係改善に乗り出した金正恩氏がどのような行動に出るか注目される。


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