トロッコ転落事故の凄惨な現場…北朝鮮「1000日戦闘」のブラック度

トロッコ転落事故の凄惨な現場…北朝鮮「1000日戦闘」のブラック度

北朝鮮最大の鉱山の一つ、咸鏡南道(ハムギョンナムド)端川(タンチョン)の検徳(コムドク)鉱業連合企業所傘下のロウン鉱山で、鉱山労働者7人が死亡する事故が起きた。企業所側は個人の責任だと弁明しているが、労働者と地域住民は労働環境が事故の原因だと厳しく指摘している。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋によると、事故は昨年大晦日の夜に起きた。夜まで坑道で作業していた労働者が、トロッコから落ちて死亡した。遺体は損傷が激しく、現場は凄惨極まりない状況だったという。

事故が起きたロウン鉱山は、良質の鉛や亜鉛の埋蔵量が豊富と言われ、北朝鮮でもよく知られている。しかし、労働者の間では危険な鉱山として悪名高い。坑道が入り組んでおり、水たまりも多く、一つ間違えば事故に繋がる可能性が高いからだが、実際に事故が起きてしまった。

企業所側は遺体を収拾、身元確認を経て家族に返したが、事故原因の究明は「誰もが責任逃れをしようとしている」(情報筋)ため、遅々として進んでいない。

鉱山労働者の間では、トロッコの運行を司る信号手の信号が正しく伝達されていなかったことが事故の原因だとの見方が広がっている。労働者や信号手個人の責任ではなく、作業環境に問題があったということだ。

地域住民は「過重業務」、つまり働かせすぎが問題だと見ている。

「朝、山に入って夜の12時までずっと働く。休憩を与えないから、双方の居眠りが事故の原因である可能性がある。労働者を酷使したからだ」(情報筋)

個人的なミスであったとしても、ミスを犯すような勤務体制を敷いていた方が責任が大きいということだ。

この鉱山は、3年前に坑道に水が溜まり採掘ができなくなった。当局は「1000日戦闘」の一環として鉱山を復旧させた。その完了日は昨年末だったが、企業所側はノルマを達成するために、労働者を不眠不休で作業に当たらせた。

しかし、企業所側は「労働者は皆死んでしまったので解明はできない、信号手のミスで事故が起きた」と責任をなすりつけようとしている。

責任逃れに汲々としている企業所側に対しては、怒りの声が上がっている。「信号手が何の力もない貧しい家の出だから責任をなすりつけているのだ」と、コネとカネがモノを言う北朝鮮の現状に対する怨嗟の声も聞こえるという。

北朝鮮では施設の老朽化、安全設備の未整備、無理に計画を達成する「速度戦」などにより、死亡事故が日常茶飯事となっている。


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