【四国再発見】「祖谷のかずら橋」から1時間、酷道の先に別世界

【四国再発見】「祖谷のかずら橋」から1時間、酷道の先に別世界

 徳島県三好市東祖谷にある「奥祖谷二重かずら橋」。観光地として有名な「祖谷のかずら橋」から車で1時間。山々と深緑に囲まれ、静かに時間が流れる空間で、2本の橋がたたずんでいた。

 「酷道」と称される439号線を車で進む。対向車とすれ違うのがやっとの狭い道幅。曲がりくねり、勾配がきつい所も多い。

 しかし、意外とストレスは感じない。薄く雲がかかり、少しかすむ山々。道路脇に咲くアジサイが美しい。エアコンを止めて、窓を明けると冷たい風が心地よく、鳥のさえずりや近くを流れる川の音が柔らかく響く。

至る所にかかし

 高知市内を出発して約2時間。ふと道ばたに目をやると、「祖谷かかし村」の文字が見えた。看板に寄りかかるように、おばあさんのかかしが…。東祖谷・名頃地区では至る所でかかしに出合う。不思議な別世界のような感覚になる。

 4キロほど走ると「奥祖谷二重かずら橋」に着いた。石段を下ると、右方向の景色が開けてくる。

 橋が見えた。まずは「男橋(おばし)」。長さ44メートル、高さ12メートル、幅2メートル。もう1本は「女橋(めばし)で長さ22メートル、高さ5メートル、幅1・5メートル。

 平家逃れ800年

 約800年前、源平の戦いに敗れた平家一族が祖谷の地に逃れた。その後、剣山、平家の馬場での訓練に通うため架設。また、交易など生活道としても利用されてきた。

 いよいよ渡る。離れて見ると周りの景色と一体になり美しいが、「男橋」の手前に立つと、とてつもなく長く感じる。一歩、二歩と恐る恐る歩を進める。しかし、グラグラと揺れる。決して大きくはないが、逆に小さな揺れが怖い。

 当地は標高1018メートル。気温は20度を下回り、空気は澄んでいる。それなのに嫌な汗が額から頬へ。首筋から背中に流れる。脈拍もかなり上がっている。

 あきらめて引き返した。呼吸を整えて「女橋」へ向かう。こちらは何とか渡りきることができた。そして、再度「男橋」へ。今度は何とかクリアできたが、かなりスリリングだった。

 珍しい「野猿」

 「女橋」の隣には「野猿」と呼ばれるロープウエーがある。川の両岸にロープを渡し、利用者は「屋形」というかごに乗り、ロープをたぐりながら進む。実用の交通手段として使われていたもので、橋を歩いて渡る時とは違う楽しみがある。

 同じ「かずら橋」でも西祖谷の方は、観光バスが止まっていたり、周辺も多くの人でにぎわっている。こちらの「奥祖谷」は、静かに時が流れている感じで落ち着く。河原に下りることもできるので、軽く水遊びをするのもよさそうだ。

 平家の武士、さまざまな物が運ばれた生活道、スリルを楽しむ観光客…。時代が変わっても、2本の橋は静かにたたずみ、人々の歩みを支え続けるのだろう。(篠原 亨)

 ◆アクセス 車は井川・池田ICから国道32号(高知方面)→県道45号→県道32号→国道439号(剣山方面)。交通機関ではJR大歩危駅から四国交通バス久保行き(久保バス停乗り換え)→市営バス剣山行き(かずら橋バス停下車すぐ)。

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