9月25日、コンビニエンスストアの「ミニストップ」は、現行のフランチャイズ契約を見直し、来年9月から加盟店と「ミニストップパートナーシップ契約」を結ぶと発表した。オーナーの負担を減らす狙いがあるとされるが、これでミニストップの復活はなるのか。

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 現在の契約方式は、店の粗利(売上総利益)から本部への「ロイヤリティー」がまず支払われ、残りの「加盟店収入」から人件費や廃棄費用などの経費が差し引かれている。これは、店舗の利益の有無に関わらず本部は一定の収入を得られる“コンビニ会計”と称される仕組みである。一方、今回の新たな契約方式では、収入から諸経費を引いた「事業利益」を、本部と加盟店で分け合う仕組みになるという。経費を本部と加盟店がともに負担するイメージだ。

 ミニストップの業界規模は、セブン-イレブン(以下セブン)、ファミリーマート(以下ファミマ)、ローソンに次ぐ4番目。大手3社に先駆け、なぜミニストップがこうした取り組みを行うのか。業界紙記者が解説する。

「ミニストップが業界4位といっても、大手3社とは大きく差がついているのが現状です。店舗数でいえば、セブンが約2万100店、ファミマが約1万7000店、ローソンが約1万4000店であるのに対し、ミニストップは8月末時点で1997店。昨年、3カ月間で193店舗を閉店したことはニュースにもなりました。2020年2月期は57億円の赤字を計上して、最終赤字は3期連続。こうした状況での加盟店離れを防ぐための、苦肉の策でしょうね」

 ミニストップといえば、ソフトクリームをはじめとしたスイーツで知られる。大手3社とは異なる独自路線を行く姿勢にはファンも多く、今年からソフトクリーム専門店「MNISOF」事業もスタートさせていた。とはいえ、その店舗数の少なさゆえ“利用したいのに近所にないコンビニ”という声も根強い。

新契約制度で店は増えるのか

 流通アナリストの渡辺広明氏は、ミニストップの魅力と課題をこう解説する。

「今年で創業40周年のミニストップは、ソフトクリームはもちろん、イートインスペースの設置やコンビニコーヒー、レジ袋有料化などの取り組みを先駆けてやってきたコンビニです。ただ、そうした“オリジナリティー”を今、打ち出せているか。昨今の苦境は、親会社のイオングループが三菱商事との提携を解除した影響だと見ています。例えばカウンタースイーツは人気ですが、店内の棚にはイオンのプライベート・ブランドの『トップバリュ』の商品が多い。同じイオングループのスーパーでも手に入る商品ですから、どうしても魅力には欠けますよね」

 新たな契約制度をスタートさせても、立て直しは厳しいと渡辺氏は見る。

「ミニストップの藤本明裕社長は会見で、新契約制度で本部と加盟店の分配を50%ずつにした場合の例を紹介していました。それによると、日販(一日当たりの売上)が40万円の店舗では利益は今と変わらないが、50万円の店ならば約15%、店の利益が上がるとのことでした。一見、夢のある話ですが、今ミニストップ全店の平均日販は42万円です。現状から8万円も売り上げを伸ばすのは至難の業でしょう。新たな契約制度によって他からの鞍替えを検討するオーナーは出てくるでしょうから、ミニストップの店舗数は少し増えるかもしれません。大手3社との契約に不満を抱え、経営に自信のあるオーナーは、ミニストップで挑戦しようと思うかもしれませんしね。が、それほど数は多くはないと思います」

立て直しの策にウーバー、コラボ

 では、ここからミニストップが立て直す術は他にあるのか。先の業界紙記者は、

「ミニストップのスイーツを食べたくてもお店が近所にない、というのが問題ですから、ローソンやファミマで実施している『ウーバーイーツ』をミニストップでもやってみればいいんじゃないですかね。ソフトやハロハロは溶けちゃうのが難ですが、そこさえクリアできれば、需要は高いと思いますよ」

 渡辺氏は、同じイオングループのミニスーパー『まいばすけっと』とのコラボ店舗案を推す。

「『ミニストップ』のブランド力は大きい。現状『まいばすけっと』は店舗を拡大していますが、その業態上、野菜や肉などの食料品は売れても、中食(総菜や弁当を買って家で食べること)の分野が弱い。『まいばすけっとbyミニストップ』のような形にして、おにぎりやサンドイッチ、弁当などの分野のミニストップが40年間培ってきたノウハウを活かしてはどうかと思うのです。カウンターフードの手作り感も武器です。『まいばすけっと』とコラボの形なら、店舗も増やせそうですし……」

 ミニストップの看板は「街角のあなたの憩いの場」をイメージし、「家と木」がモチーフであるそう。あの黄色い看板よ、街角にもう一度――。

週刊新潮WEB取材班

2020年9月30日 掲載