頬を舐め、胸を触り…強姦寸前だった山口達也 警察を敵に回した「被害者調書」の中身

頬を舐め、胸を触り…強姦寸前だった山口達也 警察を敵に回した「被害者調書」の中身

警察を敵に回した「山口達也」被害者調書(上)

 TOKIO山口達也(46)にクビが宣告され、底が抜けた第二の人生が待つ。ただそれだけでは、なぜ女子高生は彼の部屋に行かざるを得なかったか……などの疑問は宙に浮いたままだ。警察を敵に回すほどの卑しさを描写した被害者調書を明らかにし、謎を解き明かそう。

 ***

「なぜ女子高生は断らなかったのか。嫌なら行かなきゃいいじゃない」

「呼び出されて家に行ったのは、何をされてもいいと同意していたからでしょ」

「キスくらいですべてを失うなんて、代償が大きすぎる。山口さんが可哀そう」

 強制わいせつ容疑で書類送検され、本人の会見、残り4人での会見を経たいま、山口擁護、少女バッシングの論調が少なくない。

 例えば、かのデヴィ夫人も、

〈たかがキス位で無期限謹慎なんて厳しすぎ、騒ぎすぎでしょう! 女の子達は山口達也氏の所だから行ったんでしょう。Kissされたら、トイレに行ってうがいして「ちょっと失礼」と言って2人で帰ってくれば良かったわけじゃないですか。母親に電話して警察まで呼ぶなんて。事をここまで大きく広げるなんて〉

 大要こんなふうにブログに綴っている。ジャニーズ事務所は4月25日、山口の言葉として、

〈お酒を飲んで、被害者の方のお気持ちを考えずにキスをしてしまいましたことを本当に申し訳なく思っております〉

 とコメントを出した。それ以降、新聞・テレビは事務所への忖度なのか単に知らないだけか、「あの夜」に本当は何があったのか、踏み込むことをしないままだ。となると、世のなかのものの見方も、冒頭のような「少女の自己責任」論に引きずられていく他ない。

異様なハイテンション

 デヴィ夫人の物言いに応えようにも、掲載の時系列表を手掛かりに詳細を語ろうにも、そうやすやすとは行かない。そんななか、事件のあった「2月12日の夜」に導いてくれるのが、さる捜査関係者である。

「朝の番組を終えた山口は日中から、まずはビールで喉を洗って酒を飲み始めました。それで被害女性に自分から連絡し、“部屋に来い”と誘ったのです。彼女はそもそも山口のことが好きではなかったんですが、仕方なくそれに従わざるを得なかった。ただ、“1人で行ったら絶対に強姦される”と危険な空気を察知して、知人の少女に頼み込み、何とか付いてきてもらうことにしたんです」

 山口と被害女性、そして彼女の知人は、山口が司会を務めるNHK Eテレ「Rの法則」で繋がっていた。この番組のこと、そして従わざるを得なかった“理由”については後章に譲るとして、まずは、この関係者の話に耳を傾けよう。

「2人の少女は夜の8時前に港区の山口のマンションに到着しました。お香のような匂いが充満するその部屋で山口は、“なんで1人で来なかったんだ”と被害女性に詰め寄った。このとき酒は口にしていなかったけれど、彼女らには甘めの缶酎ハイなどを勧めた。グダグダに酔って酩酊していたという感じではなく、気が触れているとでも言うんでしょうか、異様なハイテンションでアルコール以外にも何か服用していたのが想像される状況だったようです」

 2人は缶に口をつけ、飲むフリをしつつ、時が早く過ぎるのを待っていた。そうこうしているうちに、

「山口が被害女性に近づき、キスをしようとしたのです。彼女は嫌がって顔を背けるんだけど、その際、山口の唇が彼女の頬に触れた。それをきっかけに山口は顔面を舐めまわし、さらに腕や腰、胸に触り、ソファに押し倒そうとしました。その間、“やらせろ”とか卑猥な言葉を投げ続けエスカレートしていたから、強姦寸前でした。彼女は隙を見てトイレに駆け込んで母親に連絡。その場にいる知人の少女の目もあって山口も諦めたのか、“ヤレないんなら帰れよ”と捨て台詞のように吐き、2人はやっと家を飛び出していったそうです」

 時間にしてわずか40〜50分の出来事だったが、

「被害女性はとにかく怖くて、母親を待つ間も、そして合流してからもガクガク震えてばかりだったと言います。それから麻布署に母親と2人で赴いて被害を報告し、舐められた顔面から山口の唾液を採取。DNA鑑定に回しました。それから被害届が提出され、警視庁の捜査1課マターとなり、被害女性の調書をまとめていったのです」

DNAとウソ発見器

 ここまでがジャニーズ事務所も知らない被害者調書の内容である。捜査1課は事件から2週間ほどで、つまり2月中にその調書をまとめあげ、これを基に3月中旬から山口の聴取をスタートさせた。

「刑事が山口の携帯に直接連絡し、自宅を訪問する形で最初の聴取が行なわれました。その際に山口は、“酒に酔っていて覚えていない”と言って、無理やりキスはしていないと否認したんです」

 と話すのは、別の捜査関係者である。

「調べた警察官のなかには、被害女性と同じ年頃の女の子を持つ親もいましてね。“山口は自分から彼女の連絡先を聞いてるんだよ。爽やかなアイドル面してるけど、ホントはトンデモないね。悪すぎるよ”と吐き捨てるように言っていました。そして2度目の聴取ではポリ(ポリグラフ=ウソ発見器)にかけ、彼女の頬から検出されたDNAが山口のものと一致するという客観的事実を突きつけた。それでも否認し続けたんです」

 そして迎えた3度目。

「(警察)当局は、“このまま否認を続けるようだと身柄を取らざるを得ない”と逮捕をにおわせ、詰め寄ったようです。それで山口は、“容疑となっている強制わいせつについてはよくわからないが、被害を訴えている女子がいるならそうなんだと思う”と認めることになった。それから警察は、検察とのやりとりを更に進める一方で、被害者側には、“ジャニーズには連絡しない方がいい。向こうがあれこれ妨害とか圧力をかけてくる可能性もあるから”と伝え、予防線を張っていましたね」

 その後も仕事を続けていた山口ではあったが、テンションが低くふさぎ込むようなことがあり、その点を担当マネージャーが質したところ、この一件を告白した。4月16日のことである。

 ジャニーズ事務所で実務を取り仕切るメリー喜多川副社長はその報を聞いた時、

「困ったよね。自覚がなさすぎる。恥ずかしい」

 とこぼしていたという。その実娘で同じく副社長の藤島ジュリー景子氏の反応について、さる警視庁関係者に聞くと、

「山口をかなり厳しい口調で非難したようです。その反応を見ると、謹慎どころか『契約解除』も十分あるという感じだった。実際そのようになったわけですが……。ジュリーさんは被害者の所属事務所トップにも会って謝罪しています。涙ながらに土下座せんばかりだったと。彼女にも被害女性とほぼ同世代の娘さんがいますからね。ジュリーさんがジャニーズに入って最初に手掛けたのはTOKIOだけど、山口を庇う気持ちはそう強くなかった。ただ、被害者側との間では、事を荒立てず、内々に処理するということで妥結していたんです」

 山口の心証が悪すぎて送検されるとまで想像だにしなかったということになる。

強姦とわいせつの間

 このあとの4月20日、警視庁は強制わいせつ容疑で山口を書類送検。これには「厳重処分」という意見書が付されていた。聞き慣れぬ文言だが、元東京地検検事で弁護士の郷原信郎氏によると、

「これは、“起訴されて当然だ”と警察が判断しているという意味です。したがって、少なくとも“キスをする”“顔を舐める”という、これまで報じられている内容以上に悪質な行為があったと判断していたことになります」

 刑法176条は、「13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした」場合、強制わいせつ罪にあたると規定している。

「一般論で言えば……」

 と郷原氏は前置きしたうえで、こう続ける。

「“胸を触る”、“スカートの中に手を入れる”などがあった場合に、“わいせつな行為”が認められる傾向にあります。あるいは、わいせつな行為を働く意思で被害者を押し倒していたならば、その事実をもって『暴行』に着手していると判断できるので、やはり強制わいせつ罪に該当します」

 その一方で、

「押し倒すという客観的な行為だけを捉えると、強制わいせつ罪の他に、強制性交等罪の未遂(法改正前は強姦未遂)も問題になります。その違いは目的が、わいせつなのか強姦なのかということ。“押し倒した”という話が本当ならば、警察は“わいせつ行為を働く意思はあったが、強姦の意思まではなかった”と判断したということでしょう」

 23日、被害者側との和解が成立。翌24日に被害届が取り下げられたのだった。ちなみに、被害者側は金銭の受け取りを拒否している。

(下)へつづく

「週刊新潮」2018年5月17日号 掲載

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