「日テレ」は今年度も視聴率三冠王が確定も、巨人戦中継で営業担当が右往左往のウラ

「日テレ」は今年度も視聴率三冠王が確定も、巨人戦中継で営業担当が右往左往のウラ

現場から不安の声

 日本テレビの関係者が安堵の表情を浮かべながら言う――「3月末まで少し間がありますが、2018年度の視聴率も三冠王が確定的です」

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 18年の“年間”視聴率で日本テレビが三冠王を達成したことは、少なからぬメディアが既に報じている。

 例えば、夕刊フジは1月6日(電子版)に「年間視聴率 日テレが5年連続“三冠王”達成も波乱の予感 『全日』でテレ朝が肉薄」と伝えた。

 この「三冠王」は、ビデオリサーチ調べの関東地区における視聴率で、

◇全日:6時〜24時
◇プライム:19時〜23時
◇ゴールデン:19時〜22時

 という3つの時間帯でトップに立ったことを指す。日テレは5年連続の三冠王。社内は“常勝ムード”が漂っているはず。今さら“年度”の三冠王で喜ぶわけもないと部外者は思ってしまうが、そうではないようだ。

「テレ朝の猛追を予想するメディアもありましたが、振り返ってみれば盤石だったのは事実です。例えば日曜のゴールデンですが、『世界の果てまでイッテQ!』(19時58分〜20時54分)は“ヤラセ疑惑”が発覚し、視聴者の離反が危惧されましたが、数字は落ちませんでした。それが『行列のできる法律相談所』(21時〜21時54分)の安定に繋がったわけです。そして『3年A組―今から皆さんは、人質です―』(22時30分〜23時25分)が狙い通りのヒット作だったことは、弊社の勢いが持続できていることの証明ではないでしょうか」(同・日本テレビ関係者)

 いいことずくめであるはずなのだが、この関係者は「安堵は危機感の裏返しでもあります」と漏らす。「実は日テレ社内の足元は、大きく揺らいでいるのです」と言う。一体、絶好調の日テレに何があったのか。

「東京スポーツが報じた通りです。我々はスポンサーの怒りを、立て続けに買ってしまったのです。洒落にならないレベルです。昨年11月には朝の看板番組『ZIP!』が、今年2月には『1億人の大質問!? 笑ってコラえて!冬SP』が、大口スポンサーを激怒させてしまった。この大問題を東スポがすっぱ抜きました」(同・日テレ関係者)

DAZNの出現に、営業担当は大慌て

 東スポは3月12日(電子版)に「日テレ大失態『キンプリ引っ越しトラブル』でジャニーズ激怒」と報じた。ジャニーズ事務所の激怒は本論とは関係ないので割愛させていただく。

 日テレの「ZIP!」(月曜〜金曜:5時50分〜8時)と「1億人の大質問!? 笑ってコラえて!」(水曜:19時56分〜20時54分)の2番組で何が起きたのか。まずは朝の看板番組である「ZIP!」から見てみよう。

 この番組では、人気アイドルのKing & Princeが様々な仕事先に弟子入りを行う「DESHIIRI King & Prince」というコーナーを放送してきた。そして“不祥事”は、このコーナーで起きたのだ。

「メンバーの1人が“引っ越しのプロ”に弟子入りしたのですが、それがサカイ引越センターだったのです。『ZIP!』のメインスポンサーの1つがアート引越センター。それも全国ネットにCMを打つという大スポンサーで、広告料は関東ローカルのスポンサーとは比べものになりません。それだけの広告費を投じながら、ライバル社が番組内で取り上げられた。もちろん広告費はなし、無料です。東スポは『アート引越センターが激怒』と書きましたが、当然でしょう」(同・日テレ関係者)

 そして今年2月の「1億人の大質問!? 笑ってコラえて!冬SP」では、人気コーナーの「日本列島ダーツの旅」がトラブルを巻き起こした。SP版らしくお笑いタレントの田村淳(45)が栃木県の茂木町を訪れたのだが、その演出に問題があったという。

「『ダーツの旅』で積水ハウスを絶賛する主婦が登場したのです。さらりと流せば違ったかもしれませんが、わざわざ発言をテロップで強調するという演出でした。そして、この番組のメインスポンサーの1つが大和ハウス工業です。『ZIP!』を含め、民放としてはあり得ないミスの連発に、社内は一時、騒然としました」(同・日テレ関係者)

 更に日テレの広告営業の部門からも、悲鳴が上がっているという。「遂に『DAZN(ダゾーン)」との交渉がまとまり、巨人戦が放送されそうなのです」と関係者が明かす。

 DAZNはイギリスを拠点に置くメディア企業「パフォーム・グループ」が運営するスポーツ専門のインターネットテレビ。これまでプロ野球では巨人戦は放送が除外されていたのだが、遂に今年から放送が始まる。

「往時に比べれば放送数が激減しているとはいえ、日テレは今シーズン、巨人が主催する試合を、依然として地上波でも全国ネットで6試合、関東ローカルで13試合、放送する予定なのです。そして営業の担当者は『この試合は日テレの独占放送です』と説明して、サントリーなどの超優良スポンサーから莫大な金額の広告出稿の契約を獲得していました。それが人気のDAZNでも放送されるとなれば、地上波から相当数の視聴者が減る可能性があるわけです」(広告営業の関係者)

 3月6日にサンケイスポーツ(電子版)が「DAZNで巨人戦’19主催試合 放映権交渉、最終局面に」と報じていたが、遂に17日、巨人と読売新聞、そしてDAZNは会見を開き、包括提携を正式に発表した。巨人主催の全試合が配信されることになるのだ。

「スポンサーに対し、『日テレの独占放送です』と言っておきながら、DAZNの配信が決定となり、前提条件がひっくり返ってしまったわけです。スポンサーもサンスポの報道で『放映権交渉が最終段階に入った』という状況を把握しており、広告出稿の条件見直しを言い始めています。そのため現在、日テレの営業担当者は、スポンサー各社に日参しているんです」(同・広告営業の関係者)

 日テレ内部では「上層部の更迭」も噂されているというが、責任者を変えて済む問題でもないだろう。各部門の意思疎通が不足しているのは明らかだ。ここを改善しなければ、今度こそテレ朝に追いつかれるかもしれない。

週刊新潮WEB取材班

2019年3月22日 掲載


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