吉本芸人の闇営業問題、彼らは受け取ったギャラを税務申告していたのか

吉本芸人の闇営業問題、彼らは受け取ったギャラを税務申告していたのか

 雨上がり決死隊の宮迫博之(49)など吉本興業の芸人11人らが、振り込め詐欺グループの忘年会に出演し、ギャラを受け取っていた件で、同社は6月24日付で全員を謹慎処分とした。この「闇営業」問題を同7日発売の「FRIDAY」が報道した当初、宮迫らはギャラの存在を強く否定していたが、嘘を突き通すことが出来なくなった形だ。

「そもそもギャラのない『闇営業』など考えられないし、『闇営業』にはヤクザなどの反社会勢力が関係しやすい」と、断じるのは芸能プロダクション関係者である。自らもある歌手と一緒に「闇営業」を行っていた過去がある。

 「『闇営業』は別名『職内(内職のさかさ言葉)』で、休日や地方での仕事の合間に行う。本来は体を休めたり、プライベートを楽しんだりする時間を使ってやるのだから、ノーギャラなんてあり得ない。そもそもノーギャラで仕事をするなんてプロとして恥」(同・芸能プロダクション関係者)

 宮迫らは当初、「ギャラはもらっていない」と主張していたが、この芸能プロダクション関係者は最初から全く信用していなかったという。「すぐにバレる嘘をついているな」と鼻で笑っていたそうだ。

 大半の芸能関係者がそうだったらしい。同じ吉本興業に所属するダウンタウンの松本人志(55)ですら9日放送の「ワイドナショー」(フジテレビ)で、「何らかのお金は出ていると思う」と語っていた。

 今回の「闇営業」は反社会勢力が主催者だったので問題化しているが、この芸能プロダクション関係者は、「『闇営業』自体がまずい。やるからには所属プロダクションをクビになることや反社会勢力と関わることを覚悟しないと。そんなことは業界関係者なら誰だって分かっているはず」と、語る。

 なぜか? まず所属プロダクションが預かり知らぬところで仕事をするのは決定的な契約違反なのだ。

 別の芸能プロダクション社長が解説する。

「所属プロダクションが得るはずのマネージメント料をかすめ取るわけだから、重大な信義違反なのです。『闇営業』をやっただけで契約を解除するプロダクションもあるくらい」  

 税務処理の問題もある。「闇営業」で税金を払う者はまずいないからだ。今回の件では、仲介役のカラテカ・入江慎也(42)に振り込め詐欺グループから計300万円が支払われたと一部で報じられたが、「やはり税金は払っていないはず」と、前出の芸能プロダクション関係者は見ている。

「本人にとっても税金を払わないほうがおいしいが、それより相手側が困ってしまうから、払いたくても払えない。今回のように相手側が違法行為で儲けている場合、所得税の申告をしているわけがないので、ギャラを申告したら、大騒動に発展していただろう」(同・芸能プロダクション関係者)

 ギャラの申告を端緒に振り込め詐欺グループの存在が発覚し、摘発に至っていた可能性もあったのだ。

「『闇営業』の興行主に対し、いちいち『おたくは税金払ってますか』『この興行は税務処理します?』などと聞けないので、ギャラの申告はまず無理」(同・芸能プロダクション関係者)

 つまり「闇営業」は脱税と直結しやすい。また、反社会勢力とも結び付きやすいという。

「(1991年の)暴対法の成立以前までは、興行をやる際には土地のヤクザに何らかの挨拶をしなくてはならなかった」(同・芸能プロダクション関係者)

 その地域を縄張りとする暴力団への配慮が必要だったのだ。

「(暴力団排除条例が施行された2010年以降も)土地のヤクザをないがしろにしてはならないという風潮が残っている。それを無視して、素人が興行を打ち、収益を得たら、どんなトラブルが起こるか分からない。収益が目的でなくても同じ。ヤクザには儲けがあるかどうかなんて分からないのだから。芸能人側もそれが分かっているから、素人がやる『闇営業』なんて関わらない」(同・芸能プロダクション関係者)

 となると、「闇営業」を平気で出来るのは、反社会勢力やその密接交際者が多いわけだ。宮迫たちはそれを知らなかったのか・・・。

SNSの普及でバレやすく

 収益を目的としない、ビルの落成披露パーティーや会社のイベント、結婚式に、芸人や歌手が出演する場合はどうなのだろう。

「闇ではやらない。所属プロダクションにバレたら困る芸能人側から、『ホームページに記載しないでほしい』『SNSには上げないで欲しい』などと、うるさく言われるから。招く側に闇で頼むメリットが乏しい。正規のルートで頼むほうがずっといい」(同・芸能プロダクション関係者)

 ちなみに、この芸能プロダクション関係者の場合、マネージャーを務めていた歌手と組み、新曲PRのために地方のラジオ局などをまわる際に、その土地の興行主と連絡を取り合い、小ホールやスナック等で「闇営業」を行っていたという。興行主は地域を縄張りとする暴力団の許可を事前に得ていた。

「でも、『闇営業』はもう辞めた。コンプライアンスがうるさくなったし、SNSの普及でバレやすくなったから」(同・芸能プロダクション関係者)

 宮迫らが振り込め詐欺グループの忘年会で問題の「闇営業」に励んだのは2014年末。当時は既にSNSもスマホなどのカメラも一般化していた。前出の芸能プロダクションの社長は「バレなければいいわけではないが、不用心すぎる」とあきれ顔だ。

 この芸能プロダクション社長は「『闇営業』は百害あって一利なし」と言い切る。

「『闇営業』で得た金はあぶく銭だから、よくない行為に使われやすいのです。バクチとかクスリとか。バクチで借金をつくったので、『闇営業』に走るというケースはよく聞く」(同・芸能プロダクション社長)

 ギャンブルなどでの借金は所属芸能プロダクションにも相談しにくい。だから、『闇営業』に走ってしまう、という構図だ。また、あぶく銭だから惜しげもなくギャンブルなどに使えるという一面もあるようだ。

 前出の芸能プロダクション関係者が、リスクが大きいことを覚悟の上で「闇営業」を行っていたのも、歌手とそろって違法カジノにハマっていたからだった。

 売れっ子の宮迫の場合、年収は1億円前後と見られているが、一方で2017年8月にはモデルとライターとの二股不倫疑惑を一部週刊誌で報じられた。家庭に知られずに済む収入が欲しかったのか・・・。

鈴木文彦/ライター

週刊新潮WEB取材班編集

2019年6月26日 掲載


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