3月22日、「テセウスの船」(TBS)が、いよいよ最終回を迎える。回を増すごとに容疑者と思しき登場人物が増え、SNSでは考察が進んでいる。一方で、前回(15日)の放送から俄然悪人ぶりを発揮し始めたのが、お笑い芸人の小籔千豊(46)だ。日曜劇場は17年の「陸王」以来の出演で、今回の憎々しさは前作以上とも……。

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 平成元年に起きた無差別殺人の容疑を着せられ、死刑囚となった父・佐野文吾(鈴木亮平[36])の汚名を晴らそうと、そして自身の未来を変えるため、息子・心(竹内涼真[26])が過去と現代を行ったり来たり。過去を変えて事態が好転するかと思えば、現代は最悪の状況となり、さらに事件は複雑化。一体、真犯人は誰なのか?と盛り上がっているのが「テセウスの船」である。

 ここへ来て考察とは別の意味で、SNSで盛り上がっているのが小籔の演技だ。

《犯人一人かなぁ…。村ぐるみとかじゃないよね。でも村全員が佐野を恨む理由がわからないしな。校長、心が佐野の息子ってわかってる? 金丸が呼び出された時にいたのは一人だよね。佐々木紀子に聞けよって思うけど出てこないな。小籔…ここで新キャストとは。めっちゃ嫌なやつじゃん。》

《妻と録画したテセウスの船、今見終わった。妻;穴掘って埋めるのよ!小籔が犯人よ!校長先生が犯人よ! ドラマの制作者の思うがままの思考がダダ漏れ。で最後、はぁ〜なんかよく分からん。…………来週が楽しみです。》

《演技とはわかりつつも小籔のことが嫌いになった。しばらく小籔を見て笑える気がしない!笑 ぜひハッピーエンドな最終回でありますように。》

 という具合だ。逆に《吉本新喜劇に見える》との指摘もあるが、関東圏の視聴者にはもっぱら嫌な奴と思われているのかも。

 何しろ小籔が演じる馬淵は、宮城県警の監察官という立場にありながら、同僚の文吾を執拗に追い詰めるのだ。どうやら、過去に確執があったらしい。それをあの憎々しい面構えと、嫌らしい口調で責め立てているのである。芸能記者は言う。

「彼の演技力を不安視する声もありましたが、吉本新喜劇の座長まで務めている人ですからね。舞台で鍛えた演技は確かだと思います。悲劇より喜劇のほうが難しいとはよく言われることです。事実、『陸王』でもその嫌らしい演技は光っていました」

 17年10月期の日曜劇場「陸王」では、彼は世界的シューズメーカー「アトランティス」の営業部長(ピエール瀧[52])の腰巾着として、老舗足袋会社「こはぜ屋」潰しを目論み、こはぜ屋のシューズを選ぼうとする陸上選手(竹内涼真)を脅してすかして悩ませる、いけ好かない役どころだった。

「散々、嫌みな演技を繰り出していましたが、最終回では左遷されたピエールを見限り、自身は本物のシューフィッターを目指すことに。実はいい人だったという設定でした。今回も実はいい人なのか、それとも悪徳警官なのかに注目する声もあります」(同・芸能記者)

「ひるおび!」が絞り込んだ黒幕

 もっとも、第9話から突然登場して、彼が事件の黒幕とは考えにくい。ただ、犯行自体には無関係とはいえ、文吾の逮捕に関与しているのは間違いなかろう。一体、過去に何があったのか。

「実は、すでにドラマは原作とは違う方向に進んでいます。原作は平成元年(89年)に起こった21人無差別殺人が中心です。ドラマでは、さらに12年前となる77年の村祭りで出されたキノコ汁で発生した食中毒と因果関係があることを示唆しています。この際、小籔演じる馬淵と文吾に何があったのか、最終回で明かされるのでしょう。ただ、それが物語の核心にはならないようです。それは竹内と鈴木が番宣で生出演した『ひるおび!』(TBS)を見て感じました」

 3月20日放送の「ひるおび!」に、最後の番宣として2人が出演した。

鈴木:もういろんな方から、友達から何から、黒幕誰なんだ?って言われるんですけど、何も言えないんですよ。

 そりゃあ、そうだろう。だが、こう付け加えた。

鈴木:1977年の村祭りがかなりのキーポイントです。

 原作にないエピソードがキーポイントとなると、結末はどうにでもできる?

「『ひるおび!』では出演者達の相関図を用意しました。そこに小籔の顔は載っていませんでしたから、黒幕ではないのでしょう」(同・芸能記者)

 では、その相関図にはどんなメンツが?

「まず佐野家は被害者ですから外すとして、相関図に残るのはのべ7名でした。まず、真犯人と目されているのは、卓越した演技が話題となっている11歳の柴崎風雅くん演じる“みきお”ですが、第9話では被害者の一人となり、単独犯でないことが判明しています。では、共犯者は誰なのか。77年の村祭りの事件から怪しさを増している校長(笹野高史[71])は、心が文吾の息子であることに気づいているようです。その食中毒によって母を亡くした徳本(今野浩喜[41])も相関図に入っていました。さらに父を殺された田中(せいや[27]:霜降り明星)、いかにも怪しい六平直政(65)、文吾を執拗に憎む麻生祐未(56)、そして大人になった現代の“みきお”(安藤政信[44])です。この中に黒幕がいるのでしょう」(同・芸能記者)

 だが現代ではすでに、せいやと麻生は殺されている。

「過去をいじっているので現代で蘇っている可能性もありますが、小籔が黒幕でない以上、若手でドラマ初出演ののせいやが黒幕とは考えにくい。麻生は現代でみきおに殺されています。笹野さんと六平さんは現代編には出てきていません。最終回では再度、現代に戻り、未来がどう変わったかを明かすはずですから、彼らは事件に関与があったとしても黒幕ではないと思われます。となれば、すでに主犯と目されているみきおの子役・柴崎を除くと、残るのは今野と安藤のみ。中でも大人になったみきお役の安藤は怪しさ満点で、現代に登場したのも一瞬だけでした。彼をキャストに加えながら、まだ出番が少なすぎます」(同・芸能記者)

 とはいえ、子供のみきおと大人になったみきおに、どんな接点があるのか? そして、予告編で文吾の娘・鈴(白鳥玉季[10])が大映しになる意味とは? さらに特別出演で話題となった上野樹里(33)の未来に変化はあるのか? どうなる最終回。

週刊新潮WEB取材班

2020年3月22日 掲載