不可視ゆえに恐ろしい新型ウイルス。その影響で、不可視になるのを恐れる芸人――。何でも自粛の世相は、芸能界にも多大なる影響を与えている。なかでも、復活を目論んでいた芸人たちの苦悩は深く、彼らの姿をテレビの画面で視(み)ることは当分なさそうなのである。

 ***

 4月16日、ナインティナインの岡村隆史はラジオ番組でこう明かした。

「『俺(中居正広)も暇だよ』って。中居ですらそんな状態になっている」

 ましてや「傷物芸人」は推して知るべしであろう。

 まずは「闇営業芸人」である雨上がり決死隊の宮迫博之(50)。彼は今年1月末、ユーチューバーとして芸能活動を再開させたが、スポーツ紙の芸能記者曰く、

「吉本興業は、独断でユーチューブの話を進めた宮迫に呆れ、彼の面倒を見る気は全くない。各局もそれを忖度しますから、宮迫のテレビ復帰は絶望的です」

 そんな苦境を察してか、今月、宮迫は“独自”に動き通販サイト「ロコンド」のCM出演を勝ち取ったが、

「また勝手なことをしてと、吉本が怒らないはずがありません。番組復帰はますます遠のきました」(同)

 その宮迫にとって唯一の活路がユーチューブだ。4月28日時点で登録者は約83万人。元SMAPの草なぎ剛が100万人ちょっとであることを考えると健闘しているようにも映る。

吉本が許しても…

 ITジャーナリストの井上トシユキ氏が分析する。

「宮迫さんの登録者数は、野球で喩(たと)えれば国内のプロリーグの試合に出られるレベル。つまり食べてはいけます。しかし、巨人の坂本勇人のようなトップ選手とは言えません。ユーチューバーの代表格で若者に人気のヒカキンの登録者数は約830万人ですし、海外ではさらに1桁多い登録者数を誇る“メジャーリーガー”もいますからね」

 加えて言えば、

「芸能関係者からは、宮迫さんが配信している動画はかつて自身がテレビでやっていた人気キャラを復活させるなど、『今さら感』が拭えないという評判を聞きます。現在、人気コンテンツが鎬(しのぎ)を削っているユーチューブは、芸能のプロが参加したからといって勝てるとは限らず、淘汰が激しい世界なんです」(同)

 マスクを着用し、2メートル以上の距離を取った上で宮迫本人に近況を訊(き)いたところ、

「コロナ騒動が落ち着いてからいろいろやらないと」

 こう答えるのみだった。

 また、「税金滞納芸人」であるチュートリアルの徳井義実(45)も、2月24日に芸能活動を再開させている。

「吉本は、反抗的な宮迫さんとは対照的に、徳井さんのことは許しています」

 としつつ、あるテレビ局関係者はこう説明する。

「板東英二さんなど、もともとカネ絡みのトラブルを起こしたタレントはテレビ復帰させにくい。安易に彼らを使うと番組自体がクレームの対象となりかねないんです」

 実際、板東は画面から遠ざかった。

「徳井さんも様子を見ながら実験的に起用していくしかない。でも、バラエティの収録自体が難しくなっている今、実験する余裕はどの局にもありません」(同)

 両芸人が抱える困難な事情。不可視のウイルスの前では、エンジンふかして芸能活動全開とはいかない。

「週刊新潮」2020年4月30日号 掲載