たとえ自身の離婚会見であっても笑いを求める、お笑い怪獣こと明石家さんま(64)。だが、彼もコロナ相手となると勝手が違った。5月26日の「踊る!さんま御殿!!」(日本テレビ)は、97年の番組スタート以来、初のリモート収録だった。これがものすごくやりにくそうで……視聴率も、この1年で最低の9・9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区:以下同)と大苦戦。

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 番組のサブタイトルは、「番組初リモート収録でさんま檻の中!? 関東女の壮絶バトルSP」で、さんまの戸惑いの声から始まった。

さんま:まあ、普通に紹介してますけどね、こっちは普通じゃないですよ。

――カメラが引くと、さんまの前には巨大なアクリル板が2枚立てられ、まさに檻の中状態。彼の向かいにいるスタジオゲストはわずか4名(中川翔子:中野区出身、本仮屋ユイカ:目黒区出身、みちょぱ:北区出身、朝日奈央:羽村市出身)。スタジオゲストの間には、2台ずつモニターが置かれ、八王子出身組のナヲ(マキシマム ザ ホルモン)と飯窪春菜(元モー娘。)、埼玉出身組の櫻井淳子と若槻千夏、千葉出身組の秋元才加(元AKB)と薄幸(納言)が、リモート出演だった。若槻がリモート撮影の様子を説明する。

若槻:小部屋に一人ずついて、スタッフもゼロ。カメラとモニターがあって、その前にポツンと……。窓も全開されてますから、凍えてます。

――さんまはスタジオのアクリル板が、反射しない高級品であることをアピールしつつ、

さんま:オレの番組、どこも(立ち位置に)線、引いてあるんですよ。

みちょぱ:(さんまが)出がちだから。どうしても出ちゃうから。

さんま:参加型MCだから……参加型MCって言われるのもおかしい。MCは絶対、参加型やろ?

――そして、さんまはリモート収録への不安を語った。

さんま:今回、“御殿”25年ぐらいの歴史がある中で、こうした収録は初めてで。これでいけるか、どうかやねん! これでいける、オッケーが出たら、ええねんけどもやな、あーやっぱりと言うたら、来週から総集編に変わります。

――さらに、やりにくさも口にした。

さんま:50分しかあかんのやて……。オレみたいにフリーの状況の中で、10分ぐらい、尺ええかと思って喋ってるけど、あかんねん。時間も決まって、休憩挟まないかんみたいやからな……。今、こうして喋ってることがムダやねん!

――で、ようやく番組は始まったのだが、いつもなら話題のテーマとなる“ひと言体験談”のVTRが回らない。

さんま:せやった、オレも油断しとった。ロケが撮れてないねん……。

さんま殺すにゃ刃物はいらぬ

 番組を見た民放プロデューサーが語る。

「コロナでロケもできなくなりましたからね。当然、街頭インタビューもないわけです。そのため番組は、ひたすらさんまさんとゲストによるトークのみという形にならざるをえませんでした。以前は不要だと思っていたVTRですが、話題を仕切り直すのに役立っていたんだなあ、と改めて思いました。さらに、さんまさんのやりづらさが画面からにじみ出ていましたね。おかげで常勝の『さんま御殿』は新作にもかかわらず視聴率は二桁割れ。裏の『アメトーーーク!』(テレビ朝日)の“運動神経鈍い芸人”の再放送にも、16・5%と完敗していました」

 さんまといえば、どんな状況でも、何とかして笑いに持っていくが……。

「番組内でも、リモート撮影で生じるタイムラグを、ずいぶん気にしていました。若槻や薄幸に『大丈夫か?』と声をかけていましたから。やはり掛け合いのタイミングが上手く取れないことを恐れていたのだと思います。もっともさんまさんは、タイム“ログ”と言っていましたけど、幸い気になるようなタイムラグは感じられなかった。それでも、妙に間が悪く感じられたのは、スタジオゲストとリモートゲストがいたこと。若槻(モニター)もみちょぱ(スタジオ)もいるのに、盛り上がらない。さんまさんもモニターの中にいるゲストに対して話しにくそうでしたからね。さんまさんの目の前にあったアクリル板、あれは邪魔そうでしたし……」(同)

 怪獣も檻に入れられてはお手上げということか。では、リモート放送を得意にしているタレントはいるのだろうか。

「ヒロミさんが上手いですね。『東大王』(TBS)はリモート生放送になっていますが、在宅を強いられる東大生に対しする言葉が的確で優しい。モニターに対してきつい言葉で接すると、どういうわけかそれを見ている視聴者にも印象が良くありません。かつてのヒロミさんだったら、東大生に対し、皮肉ったり、揶揄したりする姿が浮かぶのですが、見事に素人を立ててあげている。さらに生放送で、時間配分も完璧です。他には、『ヒルナンデス!』(日本テレビ)のナンチャン(南原清隆)や『今夜くらべてみました』(同前)の後藤輝基さん、ウッチャン(内村光良)も得意な感じですね。またリモートする側としては、バイきんぐの小峠英二がタイミングをずらさないことから注目されています」(同)

 逆にリモート苦手なMCは?

「『笑点』(日テレ)の昇太師匠……と言ったら可哀想ですけどね。元々、リモートでやるような芸ではないし、彼は職業司会者でもないですから。くりぃむしちゅーの上田晋也さんもリモートになってから、なんだか覇気がない。さんまさん同様、トークの中にちょいちょい、アドリブでツッコむタイプの芸人さんには、リモートは間が取りにくいのかもしれません。相手のリアクションも生とは変わってきますからね。でもやっぱり、ダントツでさんまさんでしょうね。」(同)

週刊新潮WEB取材班

2020年6月6日 掲載