視聴率は好調

 人気バラエティ番組「メレンゲの気持ち」(日本テレビ系列・土・12:00)の放送が始まったのは1996年のことだった。今年4月に24周年を迎え、立派な長寿番組だ。

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 ところが、来年3月で終了するという。これには多くの視聴者も戸惑っているようだ。

 10月15日、スポニチアネックスは、記事「『メレンゲの気持ち』来年3月に終了…放送25年の節目『新鮮さを求めての決断』」を配信した。

 こういう記事は通常、かつての人気番組も今では視聴者が離れ、低視聴率を回復できずに終了──という経緯が説明されることが少なくない。

 ところがスポニチの記事は、見出しで「新鮮さを求めて終了を決断した」と説明している。あまり聞いたことのない理由だ。

 記事は、「メレンゲの気持ち」が、どれほど好調か説明する部分がある。その一部をご紹介しよう。

《視聴率が苦戦しての終了ではない》

《昼間の番組ながら平均世帯視聴率は7〜8%ほどで推移しており、同時間帯ではほぼ毎週トップの数字を記録している》

(註:視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区、世帯、以下同)。

ここでもコロナ禍

 きっと多くの読者が「それなら終了する必要はないだろう」とツッコんだに違いない。記事の中盤になると、日本テレビの関係者が登場し、終了の理由を次のように説明した。

《節目の25年を前に、新鮮さを求めての決断。番組としての役目は十分に果たした(略)新たな番組に良い形でバトンを渡したい》

 これでは納得のいく説明とは言えまい。読者が《「何かトラブルがあったのでは?」「久本雅美が辞めたがってるんじゃないの?」》など疑問の声を上げた、と報じたネットメディアもあったほどだ。(出典:註1)。

 そこで、日本テレビの関係者に取材を依頼すると、「一番大きな理由は、局全体として制作費を削減するためです」と意外な理由を挙げた。

「新型コロナの影響で、CMなど営業収入は減少しています。一方、STAY HOMEの呼びかけもあり、ゴールデンやプライムの番組は好調です。この時間帯の制作費を削るというのは、できることなら避けたいわけです」

 実はゴールデンやプライムの各番組も、5%の制作費削減を通告されているという。

潤沢な制作費

「よく5%で済んだと感謝したくなる削減率となりましたが、ゴールデンとプライムが優遇された分、他の時間帯の削減で帳尻を合わせる必要があります」(同)

 そのため“リストラ”の対象となったのが、「メレンゲの気持ち」だったというわけだ。

「1番組を終了させるだけでは、削減効果など期待できないだろう」と疑問に感じる方もいるに違いない。

 だが、番組がスタートしたのは96年。バブルは崩壊していたとはいえ、まだまだ日本経済は活況を呈していた。

 当初から制作費は潤沢で、なおかつ、それから24年間、ずっと人気番組だったのだ。久本雅美(62)と石塚英彦(58)のギャラだけでも馬鹿にならないという。

「番組1回の制作費は、だいたい2000万円程度でしょう。それでも年に50回制作すれば、1年の制作費は10億円に達します。10億円を削減対象とできるのは非常に大きいと言わざるを得ません」(同・関係者)

視聴率0%でも盤石

「メレンゲの気持ち」が最も人気があったころ、視聴率が10%を超えるのは当たり前だった。最高で14%を記録したこともあったという。

「最近は8%台をうろうろしている印象ですが、コロナがなければ打ち切りはなかった数字です。ただ、日本テレビの社是は『個人視聴率3冠達成』です。

『メレンゲの気持ち』はゴールデン、プライムではなく、全日視聴率の対象です。正直言って、そもそも貢献度が高くありません。

 日テレは週に7日、約126時間の放送を行っています。『メレンゲ』は、そのうちの1時間30分です。たとえ視聴率が0%になっても、週平均を0・05%引き下げるだけでしかありません」(同・関係者)

 日テレは「ZIP!」(平日・5:50)、「スッキリ」(同・8:00)、「news every.」(同・15時50分)、「news zero」(月〜木・23:00/金・23:30)が好調で、全日視聴率は盤石だという。

「土曜日正午に放送される2時間番組の視聴率は、無視しても大丈夫ということです。それよりも、メレンゲの気持ちを終了させれば、ベテランスタッフの人件費削減も期待できます。新番組を半分の制作費で作れば、日テレとしては充分に算盤が合います」(同)

註1:エンタMEGA「伊野尾慧ファン騒然! 『メレンゲの気持ち』“不可解”終了報道にトラブルを疑う声まで…」(10月15日)

週刊新潮WEB取材班

2020年10月20日 掲載