緊急事態宣言が5月末まで延長されることが決まった。外出自粛の巣篭もり生活もしばらく続きそうだ。5月4日の記者会見で安倍総理は「コロナの時代の新しい生活様式」を強調した。手洗いやマスク着用を徹底するだけではなく、コロナを前提とする新しい生活スタイルの中に、紫外線(UV)などを活用したウイルス対策家電を取り入れてみてはいかがだろうか。

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 前回の「やっぱり紫外線! アベノマスクをUV除菌ケースで消毒してみたら…!」では、紫外線(UV)による布マスクの除菌ケースを紹介した。紫外線、特にUV-Cと呼ばれる波長の紫外線は、ウイルスや細菌に対する減菌効果が認められている。今回は、そのような紫外線を活用するなど、ウイルス対策を謳っている家電をいくつか紹介したい。

レイコップ布団クリーナーRX-100JWH

 まずは、布団クリーナーでおなじみのレイコップ製品。レイコップといえば、アレルギーの原因となるダニや花粉といったハウスダストが布団に潜んでいることに着目し、布団の掃除に特化した小型クリーナーを開発、2014年頃に大ヒットを飛ばした会社だ。そのレイコップの布団クリーナーに実はUVが使われている。

 2017年2月に発売されたフラッグシップモデル「RX」(RX-100JWH)は、254nm(ナノメートル)という波長のUV-Cランプ(出力16W)を採用。布団に紫外線を照射しながら、ブラシが最高45,000回転/分で高速回転してハウスダストを掻き出す。

 さらにドライエアブローという機能で約70℃の温風を浴びせるとともに、ホメスタイオン(OHラジカル)とオゾンを噴射して、徹底的に殺菌・脱臭するというもの。ホメスタイオンという言葉は聞き慣れないが、メーカーによると「99.9%除菌・ウイルス除去」の効果があるとのことだ。

 RX-100は、それまでのレイコップと違ってリチウムイオン電池を内蔵、最高で約40分のコードレス駆動が可能だ。充電台(クレードル)も付属しており、いちいちACコードを繋げる必要もない。日常使いに、とても便利だ。

 操作は基本的に全自動モードにすればOKで、対象物が毛布なのか羽毛布団なのかを自動検知してモーターを制御してくれる。布団をヘッドに巻き込んだりはしない。

「まくらモード」という専用モードも用意されている。まくらの上にレイコップを置きっぱなしにすると3分間、例のホメスタイオンやら温風やらがフル駆動し、乾燥と除菌、脱臭を行えるというものだ。脱臭率は90%とのこと、これで気分が救われるという人も多かろう(加齢臭は、自分のせいではありません。加齢のせいです)。

天日干しの難しさもクリア

 UVで怖いのは、人体への悪影響。しかし、RX-100は安全装置を内蔵しており、布団から本体を離すと自動的にUVランプが消灯する仕掛けになっていて安心できる。

 また、レイコップによって回収されたダストは透明な円形ボックスに溜まっていくが、その掃除はなんと、ダストボックスをフィルターごと水の張った洗面台に沈め、水中ですすぐという方法が推奨されている。この徹底ぶりは、さすが医師が開発したレイコップだと思わせるものだ。

 実際にRX-100を使ってみると、布団を天日干しにした後の気持ちよさに匹敵するとまでは正直言えないかもしれないが、確かに「すっきりと爽やかな気分」になる気がする(毎度、主観的かつ個人的な感想で申し訳ございません)。これでウイルスが低減されていると思える安心感は、ある。

 高層住宅に住んでいる人や、部屋の方角によって天日干し自体が難しい人も多いはず。一戸建てでも、布団を物干し竿やベランダにかける作業は重労働だ。コロナの時代、免疫力を高めるには十分な睡眠が必要だろう。このRX-100があれば、天日干しが難しくても、雨の日でも、室内で布団の掃除ができる。安心を感じながら、ぐっすりと眠ることができるかも。

 RX-100の価格ドットコム最安値は、3万5600円(2020/5/9現在)。

 なお、レイコップのUV技術は、2019年に発売された最新のコードレス・スティッククリーナー「RPC」(RPC-300JPWH)や「RHC」(RHC-300JPWH)でも採用されている。

 こちらはいわゆるコードレス掃除機で、ダイソンをはじめとして百花繚乱の激戦区だが、レイコップはこの市場に、通常の掃除用ヘッドに加えて、UV布団クリーナーとして使える「UVヘッド」も付属させて参入した。掃除機+UV布団クリーナーの一石二鳥を狙う方には、こちらもオススメだ。

 特にRHCはダストセンサーを内蔵、ゴミがあるとLED点灯で教えてくれる。掃除の効果が可視化されて便利そうだ(パナソニックや東芝等の掃除機も同様の機能を採用している)。

ダイソンDyson Pure Humidify+Cool加湿空気清浄機PH01

 続いて、ダイソンの加湿空気清浄機「Pure Humidify+Cool加湿空気清浄機」。色は2タイプあり、ホワイトとシルバー基調のものが「PH01 WS」(2019年11月発売)、ブラックとニッケル基調のものが「PH01 BN」(2020年1月発売)だ。

 ダイソンといえば、独自のモーター制御技術を使ったサイクロン型掃除機で一世を風靡した後、扇風機、空気清浄機からドライヤーまで、モーター技術を応用した製品を次々に展開している。

 その中でも、1台で「空気清浄機」と「加湿器」と「扇風機」という三役の働きをもつ「Pure Humidify+Cool加湿空気清浄機」は、ダイソン技術の粋を極めた金字塔的な存在とも言える最新家電だ。

 まず、空気清浄機としての機能だが、これは従来のものとそれほど変わりはない。そもそも空気清浄機自体が、ある意味で枯れた技術の家電であり、どのメーカーもだいたい似たような技術を使っている。モーターによって空気を送り出し、部屋の中で空気の対流(循環)を引き起こして、今度は吸い込むというものだ。その際に、空気に含まれる花粉や細菌・ウイルスをフィルターでどれだけ補捉できるかがポイントだ。

 この点、ダイソンのPH01は、活性炭フィルターで有害なガスを除去するとともに、密閉性の高いグラスHEPAフィルターが「PM 0.1レベルの微細な粒子を99.95%除去」すると誇っている。つまり、超微小粒子ウイルスPM0.1も捕捉するのである。

 しかしダイソンPH01が金字塔といえるのは、そういう点だけではない。空気清浄機能に、完全無欠とも思える加湿機能をプラスしてきた点だ。空気清浄機による空気の循環は室内を乾燥させるから、加湿機能が空気清浄機に付加されるのは珍しいことではない。しかし、加湿に使われる水分に細菌が潜んでいると、逆に部屋中に細菌を巻き散らすことになりかねない。

 そこでダイソンは、この加湿水分の源泉となる補給水に強力なUV-Cを直接照射し、水に潜む細菌を瞬時に除菌するという技術を開発した。ダイソンによると、「加湿用水内に試験細菌を接種し、UVCライトを通過した後の生菌数を測定」したところ、「1度のUVCライト通過後に99.9%除菌」されたとのこと。これはスゴイ(ちなみにPH01が採用しているUV-C光源の詳細は公開されていないようである)。

 実際に使ってみると、なんとも言えない「清涼感」が室内に漂う気がする。いつタンクに入れたか忘れてしまったような補給水でも、UV-Cで「一滴残らず」除菌されていると思うと、安心だ(冬場は出てくる風がちょっと寒いけど、これからの季節はOKでしょう)。

 もともと世界で初めて紫外線の殺菌効果を科学的に実証したのは、英国シュルーズベリーのアーサー・ダウンズ(Arthur H.Downes,1851-1938)とトーマス・ブラント(ThomasP.Blunt,1842-1929)だと言われている。二人が1877年、「太陽光がバクテリア(細菌)の成長を妨げる」という検証結果をネイチャー誌(1877年7月12日号)に発表した短い論文は、今でもネットで無料公開されているので、ぜひご覧頂きたい。我々がコロナ時代に紫外線を有効活用できているのも彼ら二人のおかげかもしれない。

 さて、その後、紫外線の産業利用が進む中で、メイン市場の一つになったのが上下水道の殺菌。紫外線で水を殺菌するというのは、実は紫外線利用の王道なのだ。それを加湿器に応用するというアイデアは、ダウンズとブラントと同じ英国発祥のメーカーであるダイソンならではと言えるだろう。

 このPH01には、温度・湿度・有害ガス・ニオイ・微粒子のセンサーも内蔵されており、本体の液晶部で検出結果をモニターできる。つまりPH01自体が高精度の空気質センサーになるのだ。PH01をWi-Fiネットワークに接続しておけば、外出先のスマホからアプリを通じてチェックもできる。旅行先からでも、自室の「NO2(二酸化窒素)の濃度はどれくらいかな」とリアルタイムでモニターできるのだ(コロナで外出自粛中ですが)。

 PH01の価格コム最安値は、7万7900円(2020/5/9現在)。ダイソン公式オンラインサイトや青山などにある直営店(今はコロナ休業中)では各種の割引キャンペーンをやっていることも多いので、そちらで買うのもオススメ。

強力なスチーム除菌、LG styler S3

 最後に、UVを活用している訳ではないが、番外編として紹介するのがLGエレクトロニクスのスタイラー(LG styler S3)。これは、蒸気によるウイルス除菌を実現した、最先端の全自動スチーム・クリーニング衣装庫だ。

 このスタイラー、最新機種は2018年5月発売。冷蔵庫のような形をしており、ドアの部分には気密性を保つゴムが貼付されている。扉部分の色によって、ホワイト(S3WF)、ブラック(S3BF)、ミラー(S3MF)の3種類がある。

 庫内には3つのハンガーが用意されており、そこにシャツやスーツ等をかけて動作させると、約90℃から100℃という高温のスチームが噴出される。スチームは庫内をぐるぐると循環し(その際の温度は約60―70℃とのこと)、同時にハンガー受けがモーターによってガタガタと振動(最大180回転/分)する。これで、服に着いている細菌やウイルス、花粉やアレル物質(ダニの死骸など、アレルギーの原因になる物質)を低減させ、除菌と脱臭を実現する仕組みだ。

 その効果だが、メーカーによると、「A型インフルエンザの99.9%以上を除去」できるとのこと。ソウル大学での試験結果は「インフルエンザウイルス99.9%、コロナウイルス99%、アデノウイルス99.5%除去」ということだ。

 なんと、今回の「新型コロナウイルス」ではないが、「コロナウイルス」を除去するという実証結果も公表されているのだ。他にも花粉は99.5%除去、大腸菌、ブドウ球菌も99.99%除菌とのことで、なんとも頼もしい。

 スタイラーの扉裏面には、「ズボン折り目ケア」装置がついているので、ズボンプレッサー代わりにもなる。ズボンを平らな板で挟み込む点は普通のズボンプレッサーと同じだが、こちらはスチーム状態でのプレスを行うためだろう、よりきれいにシワが取れて折り目がつく。

 加湿脱臭後は、低温の乾燥モードに入る。終了後に扉を開けると、スーツのシワとニオイが見事に取れていることに驚嘆する。正直に言って、クリーニング屋さんには申し訳ないけど、ワイシャツやスーツの日常的なクリーニングはLG stylerの独壇場になった。水の補給と排水は少し面倒だが、何よりもワイシャツのアイロン掛けから解放され、カジュアルなクリーニングであればウチの中で完結するようになるのは、素晴らしい。

ウイルスを家庭内に持ち込みたくない

 スチームといえば、シャープのヘルシオ(HEALSIO)。それまで肉を焼いたりハンバーグを作ったりするため、ヒーターで熱を加えるというのが当たり前だったオーブンレンジの世界に、シャープのヘルシオ(HEALSIO)は「加熱水蒸気」で焼くという新機軸を打ち出し、消費者の健康志向にはまって大ヒットしたことを思い出す。今では、過熱水蒸気の調理家電は当たり前になっている。しかし、衣服のホーム・クリーニング用途では、未だにLG stylerのライバルはいない。

 コロナと闘う日々、医師・看護師・臨床検査技師などの医療従事者、宅配便などの物流関係者、スーパーやコンビニといった小売関係者など、仕事でどうしても人と接触しなければならない皆さんの奮戦努力には、本当に頭が下がる思いがする。そうした方々が仕事を終えて帰宅した際、万が一にもウイルスを家庭内に持ち込みたくないと思われるかもしれない。そんな時、玄関にLG stylerがあれば、脱いだ服を洗濯機で洗うか、それともstylerでスチーム除菌するかを選べる。洗濯が難しいジャケットのような服であっても、stylerなら毎日スチームにかけられるだろう。

 LG stylerの価格コム最安値は、ホワイトタイプ(S3WF)で14万8000円、ミラータイプ(S3MF)で17万500円(2020/5/9現在)。ちょっと高い。しかし、2017年3月に発売された初代モデルのブラウンタイプが、コストコでたまに10万円(税込)で放出されている。おそらく在庫処分であろうが、旧モデルといってもWi-Fiが内蔵されておらず、クリーニングメニューを追加できないだけ。基本的機能は同じなので、見つけたらお買い得だ(外出自粛中だけど)。

 コロナの新時代、新しい生活スタイルとして、UV-Cやスチームを使った除菌ライフが当たり前になるかもしれない。今回紹介した家電3点はいずれも実力十分、買って損はしないだろう。

 政府が支給する一人あたり10万円の特別定額給付金の交付手続きも始まった。生活費や家賃に充当する人もいれば、寄付をする、あるいは飲食店でテイクアウトをするなどして地元経済を応援しようという人もいるだろう。その時、もう一つの選択肢として、特に小さい子供や要介護の高齢者がいる家庭では、「除菌のための家電」を購入し、新しい生活の中に導入してみるのはいかがだろうか。

 次回は、自宅巣篭もり生活を充実させる切り札ガジェットを紹介したい。

北島純
社会情報大学院大学特任教授 東京大学法学部卒業。専門は戦略的パートナーシップ、情報戦略、腐敗防止。著作に『解説 外国公務員贈賄罪』(中央経済社)、論文に「外国公務員贈賄罪の保護法益に関する考察―グローバルな商取引におけるインテグリティ」(「社会情報研究」第1号)などがある。ニックネームは「ジュンジュン」(デンマーク語だとユンユン)。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年5月11日 掲載