拳銃強奪の飯森容疑者「同窓会テロ」を計画していた説が浮上

拳銃強奪の飯森容疑者「同窓会テロ」を計画していた説が浮上

 G20開催目前の大阪府下で起きた、テロ警戒中の警察官を襲った恐るべき凶行。犯人の飯森裕次郎(33)は日々暮らす東京からなぜかつて住んだ地を目指し、拳銃を奪ったのか。浮かび上がったのは彼が犯行前、幼なじみを集めて同窓会を開こうと、血眼になっていた事実である。

〈こんにちは。久しぶり。飯森裕次郎です。12年ぶりくらいかな? 突然で、わるいけど、×××の連絡先知っていたら教えてもらってもいいですか? 携帯壊したので、色々聞いています。×××中野球部で、同窓会開きたいし〉

 これは飯森がフェイスブックを通じて小中学校時代の同級生に送ったメッセージだ。日付は2月27日。もし、この「同窓会」なるものが開かれていたら、事態はどう推移しただろう。

 大阪府吹田市内の交番で6月16日早朝に警官を襲撃し、拳銃を奪って逃走した飯森が、箕面市の山中で逮捕されたのは翌朝のこと。

「発見時、スーパーのレジ袋に無造作に突っ込まれていた拳銃は1発撃たれた状態で、現場では2級の精神障害者保健福祉手帳や精神科の診察券も見つかっています」(社会部記者)

 取り調べに対して、

「私のやったことではありません。病気がひどくなったせい、周りの人がひどくなったせいです」

 と、容疑を否認している飯森。わずか1日でその身柄が確保されたのは、まずは父親のおかげと言うべきだろう。

「防犯カメラに映った容疑者の姿はやや不鮮明で、警察は人定に手間どりました。しかし、画像を公開した直後に父親から“息子だと思う”と連絡があり、特定の決め手になった」(前出記者)

 父親は63歳。フジテレビ系列の大阪キー局である関西テレビで常務取締役をつとめ、東京都内に居を構える。

「関テレでは営業畑が長く、東京支社にいた時代もあります。現在は常務として東京支社も担当し、BSフジの役員でもある。折しも関テレは6月19日に株主総会を控え、今にして思えば、事件の展開次第では会社に火の粉が及びかねない状況でした。常務は実直な方で社長候補の呼び声もありました。犯人の兄にあたるご長男は、電通・博報堂クラスの大手広告代理店に勤務されているエリートです。恵まれた“マスコミ一家”と思っていたら、まさか次男がこんな風だったとは……」(関テレ関係者)

 とはいえ飯森も、幼なじみたちにとっては特段、変わったところのない、いやむしろ、印象のいい男だった。

 冒頭のメッセージを受け取っていた同級生が言う。

「あいつは小学5年生の時に東京から吹田市に越してきたんです。社交的で明るくて、すぐに学校の中心メンバーになりました。地元の少年野球チームに参加し、市立中学に進んでからも野球部に入ってた。めっちゃ頭がよくて、友達の中でもずば抜けてましたわ。進学した北千里高校も、学区でトップクラスの府立です」

 飯森は高校を卒業すると、東京に出て駒澤大の文学部に入学。前後して一家も住まいを東京に移す。同級生が続ける。

「僕が20歳の頃、東京に遊びに行ったんですが、彼のマンションにもお邪魔して、お母さんにずいぶん歓待してもらいましたよ。人のいい、優しいオカンって感じです。ただ、お父さんのほうはエラく厳格な雰囲気で、言葉遣いひとつにもうるさい人でしたわ」

送付先は50人

 大学を卒業後、飯森は海上自衛隊に入隊する。が、わずか半年で除隊。その後は生協の宅配でアルバイトをしたり、フジの系列局、岩手めんこいテレビ関連の制作会社でVTRをチェックする業務に就いたほか、盛岡市内のスーパーで働いたりもしたのだった。

 しかし、どの職場も1年と続かず、昨年11月から東京都内のゴルフ練習場で働き始める。

 関係者によると、

「彼はハローワークの障害者雇用枠で採用し、統合失調症だと聞きました。時給990円でクラブハウスや駐車場のごみ拾い、床や窓磨きなどをしていました。問題を起こす印象はなかったものの、仕事中ボーッとしていることが多かった」

 そして、犯行5日前、11日の夕方に、

「“幻覚の症状が強くなりそうだ”と相談があり、6月一杯休む運びとなったのですが、15日の夜に“体調が良くなってきたので、また25日から働きたい”と電話があったのです」(同)

 その言を信じるならば、犯行前夜には、何やら「体調の好転」を感じていたらしいのである。

 さて、そんな飯森から声をかけられた同級生は、

「久しぶりにフェイスブック経由で彼から連絡が来たのが今年2月。同窓会をしたいってね。今から8年ほど前に中学の同窓会を地元・吹田の居酒屋でやった際、あいつは来てませんでした。そやから同窓会やりたいんかなぁ、と単純に考えてました。いきなり合計50人くらいにメッセージを送りつけてたみたいです」

 この友人は不思議に思ったことがあると言い、

「中学時代の野球部の顧問の顔写真が欲しいと友達に頼んでたんです。それと気になるのはあいつが東京に出た直後、本人から“家族のことは嫌いや、仲は良くない”と聞かされたヤツもいること。何を考えてるかわからへん。同級生の住所を集め、同窓会を開いてテロでもやる可能性はあったかも。怖いですわ」

 エリート一家の中で自分だけが転落した。その原因を中学時代からの同級生らに転嫁し、歪んだ憎悪を増幅させていたのか……。

 同窓生の連絡先。それを飯森は巧妙に“利用”している。110番で「空き巣被害に遭った」とその名前と住所を告げ、交番から署員をワラワラと出動させて、相手の隙を窺ったのだ。

 別の同級生は、ニュースに接してアッと声を上げた。

「あいつが箕面市の山奥で見つかったっていうじゃないですか。高校時代、原チャリに乗り始めた友達らを集めて、初めてみんなで行ったのが観光名所の箕面の滝でした。僕らの思い出の場所なので、すぐにピンときたんです」

 彼は箕面の山懐でベンチに身を横たえているところを発見された際、レジ袋の拳銃に手を伸ばそうとした。果たして何を考えてのことだったのか――。

「週刊新潮」2019年6月27日号 掲載


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