雅子皇后が見せられた「3度目の涙」過去の落涙は美智子さまに「ご指導」されたが…

3週間弱の延期を経たのち、さる10日に晴れて「祝賀御列(おんれつ)の儀」に臨まれた天皇・皇后両陛下。道中、ティアラを冠された雅子皇后は、うっすらと涙ぐまれる場面もみられた。それは、長きにわたり御身を苛んできた“重圧”から解き放たれた瞬間だったというのだ。
***
ゆるやかな午後の日差しを浴びながら、お二人を乗せたオープンカーは、皇居から赤坂御所まで4・6キロの道のりを進んで行った。
「雅子さまは正装であるローブデコルテをお召しになり、その上にフリルのついたジャケットというお姿。頭上には、明治の昭憲皇太后から130年にわたって代々受け継がれてきた、最も由緒のある『第1ティアラ』が輝いていました」
とは、宮内庁担当記者。そのお姿を目の当たりにし、
「沿道からは、陛下とともに雅子さまへの大歓声が沸き起こりました。感極まられた雅子さまは、青山通りに差しかかる辺りで涙ぐまれ、ハンカチで頬を拭われる場面もあったのです」(同)
出発からおよそ30分後、オープンカーは無事お住まいの赤坂御所に到着。車を降りられた両陛下は周囲に会釈して労われ、お帰りになっていった――。
その前夜、皇居前広場で催された陛下の即位を祝う「国民祭典」でも、雅子皇后の眼は潤んでいた。
「両陛下は防寒着をお召しになり、正門石橋の上に並んで観賞なさっていました。出演した嵐が5分余りにわたって奉祝曲を歌い上げると、雅子さまは涙を浮かべ、懸命に右手で目元を拭っておられました」(同)
公の場で皇族方が涙を見せられることは極めて珍しい。それも連日とあって、さる侍従職関係者は、
「26年前のご成婚から今に至るまで、決して平坦ではなかった皇太子妃の日々を経て、ようやくこの日を迎えられたのだという皇后さまの思いが、涙という形で発露したのでしょう」
そう前置きしながら、
「何よりも皇后さまが『私は確かに国民に受け入れられている』と、あらためて実感なさったことが大きいと思います。そのお気持ちはまず、6月に陛下とお二人で『全国植樹祭』のため愛知県を訪問された時にお感じになっていました」
というのも、
「御代替わり後、初の『四大行幸啓』でしたが、この時、名古屋駅から目的地まで車で移動される間、沿道には市民がびっしり詰めかけ、人波が途絶えませんでした。そのおかげで車列は終始、徐行せざるを得なかったのですが、沿道ではそこかしこで皇后さまへの歓声が上がっていた。この光景をご覧になった皇后さまは、適応障害での長期療養など、思い通りにいかず苦しんだ皇太子妃時代から、お立場とともにご自身に対する国民の受け止め方も大きく変わったのだと、身をもって実感なさったのです」
その後も順調にご公務を続けておられることから、
「今回の“涙”はまた、皇后さまご自身の自信回復の証しだと拝察いたします。同時にまた、上皇ご夫妻の“平成流”とは一線を画す姿勢の表れとも受け取れるのです」
と言うのだ。この意味するところを探るには時を遡り、過去の美智子上皇后とのやりとりを振り返らねばならない。
公務において涙は…
実は、雅子皇后が公の場で涙を見せられたのは、これが初めてではない。
「かつて療養に入られる前の2002年4月、愛子さまご誕生を受けて皇太子さま(当時)とご一緒に会見に臨まれた際のことです。記者団から『無事に出産されて率直なお気持ちを』と問われ、『生まれてきてありがとうという気持ちで一杯』などと声を詰まらせておられました。その後の質疑では『母親になって涙もろくなって……』とも漏らされていた。涙でお言葉が途切れた際、隣で皇太子さまが雅子さまの背中に手を差し伸べ、いたわられていたのが印象的でした」(ベテラン皇室ジャーナリスト)
さらには一昨年、こんな光景もみられたのだった。
「17年の12月5日、皇太子ご夫妻(当時)は『障害者週間』に関する行事の表彰式に出席されました。会場では、最優秀賞に選ばれた小学2年生の女子児童が、障害のある弟さんとの生活を綴った作文を朗読したのですが、聞き入られていた雅子さまは、帽子を目深に被りながら涙ぐまれていたのです」(前出記者)
立場の異なるさまざまな国民に心を寄せられ、時に喜びを分かち合い、時に苦しみを和らげる――そうしたスタイルは、上皇ご夫妻が築き上げ“平成流”として確立してこられたのだが、
「実は一昨年の“涙”の件で、雅子さまには美智子さまから『ご指導』があったのです」
とは、さる宮内庁関係者。
「そのご趣旨は『公務においては涙を見せないように』といったものでした。つまり『皇族は、いずれの場でも同じように振る舞うべきで、公の場で感情を表し過ぎることは控えましょう』との仰せだったのです」
かつて皇太子妃時代、雅子皇后はしばしば“ご公務の選り好み”が取り沙汰されてきたのだが、
「美智子さまはこのご指導で“公務とは等しくなされるもの”という、将来の皇后としてのお心構えも、雅子さまにお示しになろうとされたのでした」(同)
が、その一方で以下のように指摘するのだ。
「今回、雅子さまが連日見せられた涙は、一昨年のご公務でのものとは状況や意味合いが異なります。それでも皇族方が人前で泣かれるというお姿は、多くの国民には新鮮に映ったことでしょう」(同)
実際にネット上では、
〈報われた苦労を想い共に泣きましょう〉
〈我慢せず泣いてください〉
〈もらい泣きしました〉
といった、肯定的なコメントが大半を占めていた。先の宮内庁関係者が続ける。
「雅子さまはこの2日間、朗らかに笑われ、そして泣いておられました」
それはあたかも、一昨年に美智子上皇后から受けられた「ご指導」を血肉として消化しながらも、さらにご自身で令和のスタイルに換骨奪胎なさったかに窺えるのだ。
「お心に響いた時は、我慢されなくてもよろしいのではないでしょうか。『涙は見せぬもの』という美智子さまの平成流が、かりに日々のご活動で重圧となるのであれば本末転倒でしかない。今後は臨機応変に“令和流”を築いて行かれればと思います」(同)
「週刊新潮」2019年11月21日号 掲載
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