東京都は緊急事態宣言を受けて、休業要請を行う対象施設を公表した。その中には大学や学習塾も入っているため、予備校は新学期の開校を5月7日に先延ばししたり、オンライン授業を行ったりして対応している。そんな中、東京・西荻窪に本校のある「みすず学苑」では、通常通りの授業を行っているのだ。

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 みすず学苑といえば、メンタルケアーのために生徒や講師がコスプレをすることで知られる。そんな一風変わった予備校は今年3月、米FOXテレビでも紹介された。現在、東京のみならず、埼玉、千葉、神奈川で計10校ある同学苑は、18年連続難関大学進学率9割突破を誇る。学苑長は、宗教法人ワールドメイトのトップ、深見東州としても知られる半田晴久氏だ。

 早速、本題に入ろう。政府の緊急事態宣言が出されたのに、みすず学苑はなぜ通常の授業を行なっているのか。

「全10校の生徒に意見を聞きました。すると、95%が『絶対に授業をやってほしい』『閉めないで、ずっと開けておいてほしい』という回答でした。休業要請の根拠となる特措法第45条では、1000平方メートル以上の施設が対象です。みすず学苑で、対象となる校舎は一つもありません。都知事は、1000平方メートル以下の学習塾は、活動の休業ではなく、自粛を要請しています。授業を行う場合は適切な感染防止対策を取るよう要請しているのです。以上のことから通常の授業を行い、徹底したコロナ対策を行うことに決めました」

 と解説するのは、みすず学苑の広報担当者。

「コロナウイルスを撃退するには何が良いか、学苑長は医療法人や調剤薬局を経営していることもあり、医療の専門家と協議しました。その結果、次亜塩素酸水が一番効果があるという結論に達しました。次亜塩素酸水は人体に害はなく、白血球がウイルスなどを攻撃するときに使う成分です。食品添加物としても使われています。過去に何度も、ノロウイルスやインフルエンザの集団感染を防いだ実績があります。学苑長は次亜塩素酸水を大量発注して、まずは2月中旬から、全校舎の受付と自習室に次亜塩素酸水の噴霧器を設置しました。そして、都が休業要請を発表する前日の4月9日から、全校舎の95教室と面談室にも噴霧器を設置。大きな自習室には、7、8台設置しています。全校で噴霧器の数は200以上用意しました」

水際対策にはプロポリス

 噴霧器に加え、授業が始まる前には、教室を次亜塩素酸水の入ったスプレーで消毒しているという。

「校舎の全てのドアノブには、1時間でウイルスをほぼ死滅させる『接触感染対策テープ』を貼っています。まめな換気、うがい、手洗いのアルコール殺菌も徹底させています」(同)

 授業の際、講師にはマスクだけでなく、手作りのフェイスシールドの着用を義務付けている。

「怒涛のフェイスシールドです。アンドロイドになったつもりで、楽しくやって欲しいですね。うちはコスプレに慣れているので違和感はないはずです。もちろんこれを付けるのは、講師の長時間にわたる大声で、飛沫が大量に遠くへ飛ぶからです」(同)

 みすず学苑は広告で、“怒涛の英語”や“怒涛の合格”といったように、怒涛の〇〇の表現をよく使う。コロナで怒涛のフェイスシールドとは恐れ入る。

 校舎の玄関には、サーモグラフィーを設置したという。

「サーモグラフィーで体温をチェックし、熱のある生徒は、自宅で療養してもらっています。もし感染者が出たら、そのクラスは授業をストップし、自宅待機にします。そして、すぐオンライン授業に切り替える予定です。ですが、今のところ感染者は一人も出ていません」(同)

 通学時にも新型コロナに感染しないよう、 全生徒にマスクやビニール手袋を配布している。

「生徒には、1日2枚まで無料で配布しています。そして、電車通学で感染を防ぐために、ビニール手袋を2組、無料で配布しています。帰る時用と次に来る時用です。受付で渡しています。校舎の入り口には、手袋専用のゴミ箱を用意。ゴミ箱はペダルを踏めばふたが開くタイプのもので、手袋を脱ぐ時は、消毒してから脱いでもらっています。そうしないと、ウイルスが手に付着する恐れがあるからです。ウイルスは靴の底にも付着するので、校舎の玄関には、次亜塩素酸水を浸した床マットを置き、そこで靴を消毒するようにしています」(同)

 それでも新型コロナが怖くて、休みたい生徒はどうなるか。

「特別休学制度があります。4月6日から5月6日までの1カ月間、休学することができます。その分の授業料は返金いたします」

 これだけの徹底した対策を講じているとは、ある意味大したものである。

「コロナに感染しても、全く症状がないまま、いつの間にか治る人は大勢います。しかし、無症状から、突然発症する人も少なくありません。その際共通する兆候があります。喉の違和感です。喉がチクンとするような感じです。喉にウイルスが溜まっている状態で、これがウイルス感染の水際と言えます。そこから発熱したり、咳が出て、肺や全身にウイルスが広がるのです。喉に違和感を覚えた時、うがい用の次亜塩素酸水であるポイックウォーターで何度もうがいします。さらに、液体プロポリスが喉に良く効きます。これは飲むので、喉だけでなく、気管や食道、胃のウイルスも死滅させ、全身をガードしてくれます。オペラ歌手の中には、プロポリスを原液で喉に塗る人もいます。学苑長もオペラ歌手なので、熱が出かけると、何度も飲んでいます。全校舎でポイックウォーターとプロポリスを常備し、喉に違和感があった生徒や講師、スタッフに受付で渡しています」(同)

 今後も感染者が出なかったら、みすず学苑は評価されるかもしれない。果たして……。

週刊新潮WEB取材班

2020年5月1日 掲載