もう立民には戻れないから…

 2017年の総選挙では無所属で愛知7区に出馬して当選、その後、立憲民主党に所属した山尾志桜里代議士(46)。しかし、「国会での議論や考え方にギャップがある」などとして今年3月に離党し、7月8日に国民民主党に入党が認められていた。その国民自体が11日、解党して立民との合流組と残留組とに分かれると発表された。山尾氏自身は玉木雄一郎代表(51)と行動を共にする見込みだ。ここで改めて、地球9週分のガソリン代から離婚まで、そして野党だけを渡り歩いた女史の、七転び八起きの政治家人生を振り返っておこう。

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 永田町関係者によると、

「表向きは立民と国民とは合併協議をしてきました。立民は福山哲郎、国民は平野博文の両幹事長との間でですね。和やかにやってはいるんですが、党首同士のウマがまるで合わない。特に国民は合併となると立民に飲み込まれかねないから、党首の玉木さんは前向きではなかった。お山の大将でいられる党首は居心地が良いですから。だからあえて、“立民の名前を変えるなら合併について本気で考えてもいい”などと漏らして、合併のハードルをあげたりもしていた。立民党首の枝野さん(幸男)も、さすがにそれは受け入れ難いので、いつまで経っても両党は一緒になれないと見るムキが多かった」

 案の定、解党して「行きたい人は行けばいい」という流れになったわけだ。

「玉木さんについていく中核メンバーは、古川元久(代表代行)、岸本周平(選挙対策委員長)、古本伸一郎(税調会長)、無所属となっている前原誠司(元外相)、そして山尾さんあたりでしょう」

ガソリンのプリペイドカード代の怪

「政党をまるでアテにせず、小選挙区でガチンコ勝負して勝てる、勝つぞというような面々と言っていいでしょう。彼らで新党を作って、憲法改正をテーマに自民党の補完勢力として存在感を示す腹積もりでしょう。玉木さん自身、与党志向で、思ったことを実現したいというのがかねての思いですからね」

 立民を離党して山尾氏が国民に入党した時には、両党の合流交渉は水面下で重ねられていた。それがうまく行けば山尾氏は再び立民のメンバーと顔を合わせることになるわけだ。立民の枝野代表以下、自分たちを袖にした彼女を認めるとは言い難く、「そうなることはない」と玉木代表と山尾氏との間に「密約」があったから、彼女は国民に入党できたということなのかもしれない。

 ここで改めて、野党だけ渡り鳥な山尾氏のこれまでを振り返っておこう。

 少女時代にミュージカル「アニー」の主役として活動し、東京学芸大附属高を経て東大法学部へ。在学中から法曹界を志し、司法試験に2002年、都合7度目で合格した。2年後に検事として任官した彼女に目をつけたのが、当時は民主党代表だった小沢一郎氏だ。このラブコールに、「検事として犯罪のない世の中へ変えることに限界を感じ、政治の世界を志した」と応えた山尾氏は3年強の検事生活に別れを告げる。09年8月の政権交代選挙で愛知7区から出馬し、初当選。3年後の総選挙では落選するも、2014年総選挙で2期目の当選を飾った。

 彼女が政界で注目を集めたのは、2016年2月、「保育園落ちた日本死ね!!!」なる匿名ブログを国会で取り上げた時だった。安倍晋三首相に切り込む姿がワイドショーでも取り上げられ、その論功行賞として、民主と維新が合流してできた民進党の政調会長に大抜擢されたのだった。

 しかし、その後は政治活動というよりはむしろスキャンダルの方で話題となっていく。その最初は「地球9周分のガソリン代」だった。民主党愛知県第7区総支部として提出した収支報告書には、

2012年 230万円
2013年 82万円
2014年 86万円

 とあった。

ひと肌脱ぎたいと思う男の人がいるのは事実

 12年分が地球5周分に相当するとされた。しかし、その後、山尾氏は会見で、ある秘書がガソリンのプリペイドカードを大量購入した可能性が高く、その額は430万円にのぼると明かしている。ざっと地球9周分のガソリン代というわけだった。

 会見では、ガソリンスタンドの発券機には、「不要の『レシート入れ』が備え付けられている。他の人が使用した不要のレシートを自由に持ち帰れる状況」で、事実“怪しい”レシートが「135枚あり」、そして、「この秘書が本当にプリカを購入したかどうか、現時点で疑問を持っている。必要な法的措置を取るつもりだ」と語っていた。秘書の悪だくみに乗せられたという弁明を行ったわけだがバツの悪さが目立った格好だった。

 そしてその後、彼女を襲ったのは、イケメン年下弁護士との連続密会報道。弁護士の妻が悲痛な告白をしたこともあって、世間からのバッシングはいや増しに高まるばかり。結局、2018年に夫とは離婚することになった。

 国民の関係者によると、

「彼女はいつも一生懸命、持論を説明しようとするし、少なくともそう見えるし、それを実感するとひと肌脱ぎたいと思う男の人がいるのは事実。ただ、まあ女性代議士として男性との噂は女性票が望めず命取りになるわけです。それを前提に彼女は立民を離党して愛知とは縁が切れて国替え。今度は新天地で闘いに望むわけで、そこでどれだけ“一生懸命さ”をアピールできるかどうかですね」

週刊新潮WEB取材班

2020年8月12日 掲載