安倍晋三前首相の甥で岸信夫防衛大臣の長男、岸信千世氏(29)が、10月末でフジテレビを退社、岸防衛相の秘書になるという。いずれ政治家になって、岸家か安倍家の地盤を引き継ぐそうだ。

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 信千世氏は2014年に慶応大学を卒業後、フジに入社。社会部に配属された。警視庁を担当し、17年に宮内庁担当に。その後、気象庁担当になった。

 テレビ局と言えば、大学生にとって人気の高い就職先である。彼も高い倍率の入社試験をパスしたのだろうから、余程優秀な人だろう。とはいえ、国会議員の子息や子女が、テレビ局に就職するケースは多いのも事実だ。加藤勝信・内閣官房長官の長女もフジ社員で、信千世氏の同期である。

 加藤官房長官と同じ安倍側近として知られた中川昭一元財務相の長女、真理子さんもフジテレビの報道記者だ。

 田村憲久厚労相の長女・真子さんは、TBSのアナウンサーである。2018年に上智大学文学部新聞学科を卒業後、TBSへ。編成局アナウンス部に所属し、同年10月から『はやドキ!』に出演。19年7月から『まるっと!サタデー』でメインキャスターに起用された。20年7月6日から10月15日まで、小川彩佳の産休に伴い、『NEWS23』で代理サブキャスターを務めた。

 古い政治家で言えば、先日、内閣・自民党合同葬儀が行われた中曽根康弘元首相の次女・美恵子さんは、元NHKのアナウンサーだ。さらに、中曽根氏の孫(長女・美智子の息子)の双川正文氏もフジテレビに入社している。

小渕優子はTBS

 元東京都知事、石原慎太郎氏の長男・伸晃氏も、国会議員になる前は日本テレビの報道局の記者だった。大蔵省や外務省、首相官邸などを担当し、1989年に日本テレビを退社。90年、総選挙で出馬、初当選を果たした。日テレ時代は報道局に所属し、大蔵省や外務省、首相官邸を担当していたが、その評判はあまり芳しくなかった。記者といえば、政治家の自宅などへ“夜討ち朝駆け”が当たり前だが、彼は熱心ではなかったという。1985年日航ジャンボ機墜落事故が起きた時、イタリアに旅行中で、同僚から帰国を促されても、断ってそのまま旅行を続けたというエピソードが語り草になっている。

 自民党の加藤紘一元幹事長の次女、亜生さんは、TBSでディレクターを務めている。彼女の夫は、フジテレビの報道記者だ。

 郵政大臣、自治大臣などを務めた片山虎之助参院議員の次男・大介氏もNHKの記者だった。1992年に慶応大学理工学部を卒業後、入局。水戸放送局、福島放送局の後、皇室担当に。2015年に退社。16年の参院選に日本維新の会から出馬して初当選を果たした。

 鈴木宗男参院議員の長女、貴子さんはNHK 出身。2009年、カナダのトレント大学を卒業後、入局、長野放送でディレクターを務めた。12年、NHKを退職して北海道7区から新党大地公認で出馬したが、落選。13年に繰り上げ当選を果たす。17年に自民党に入党した。

 小渕恵三元首相の次女で、自民党議員の優子氏もTBS出身である。1996年、成城大学経済学部を卒業後、TBSへ。『はなまるマーケット』などに携わった。98年、父・恵三氏が首相に就任するとTBSを退社、私設秘書を務める。2000年に小渕首相が脳梗塞で逝去すると、同年6月の総選挙で群馬5区から自民党公認で出馬し、26歳で初当選を果たした。ちなみに、夫の瀬戸口克陽氏は『花より男子』『華麗なる一族』などを手掛けたドラマのプロデューサーで、現在はTBSの編成局長を務めている。

 もっとも、2014年10月、週刊新潮に優子氏の政治資金規正法違反を報じられ、大問題になった。

 当時、支援者などに送った「下仁田ネギ」4000本に約60万円を交際費として計上するなど、優子氏のデタラメな政治資金の処理を3週連続で報じたが、最初の報道の5日後に小渕氏は大臣を辞任した。

愛人に告白された中川俊直氏

 テレビ局出身と言えば、この人も紹介しないわけにはいかない。中川秀直元官房長官の次男、俊直氏だ。

 彼は、1993年に日本大学文理学部を卒業後、テレビ東京に入社。報道局に配属され、総理官邸や自民党を取材した。2001年に退社し、父・秀直議員の秘書になった。2012年の総選挙に出馬、初当選を果たす。16年、経済産業大臣政務官に就任した。

 それから8カ月後の17年4月、週刊新潮が俊直氏の元愛人の告白を報じたのである。

 当時の記事によれば、俊直氏は、愛人と2011年から交際を始め、年に300日は一緒に過ごしたとか。挙句、13年9月には、ハワイで牧師の前で愛を誓い結婚証明書にサインをしたというから、開いた口がふさがらない。

 ところが、15年の年末に破局する。すると、ヨリを戻そうと、愛人宅の前で号泣。110番通報され、ストーカー登録されてしまったのである。この報道のおかげで、俊直氏は政務官を辞任、自民党を離党した。その年に行われた総選挙では、出馬を見送った。

 やはり、コネ入社と疑われるような人もいるということか。

週刊新潮WEB取材班

2020年10月29日 掲載