巨人、優勝秒読み 「丸佳浩」が本当のプロと言われる所以【柴田勲のセブンアイズ】

巨人、優勝秒読み 「丸佳浩」が本当のプロと言われる所以【柴田勲のセブンアイズ】

 勝負はゲタをはくまで分からないと言うが、巨人の5年ぶりのリーグ優勝が確実になった。

 原辰徳監督への「おめでとう」は胴上げを見てからにするが、本当に今年は先を読みづらいシーズンだった。

 振り返ると、やっぱり丸佳浩の加入が大きかった。優勝をグイッと手元に引き寄せたDeNA3連戦の勝ち越しは丸の今季の働きを凝縮していた。

 優勝候補の一角だった広島の順位を見るにつけ、結局は丸の抜けた穴を埋めることができなかった。

 丸の巨人移籍でセ・リーグの勢力地図が塗り変わった。こう言ってもいいだろう。前回、体の開きが早く、ステップした際に重心が後ろにかかっている。調子を落としかけ、こんな指摘をしたけど、「ツイスト打法」で乗り切った。

 頭を残し、ボールをよく見て、打つ瞬間に腰を逆方向にひねる。言うのは簡単だが、大事なゲームでやってのけた。また、打球がよく飛ぶ。技術の確かさに驚いた。丸の働きが坂本勇人や岡本和真らへのいい刺激となって、相乗効果をもたらした。とにかく1年間、コンスタントに活躍したと思う。打撃もさることながら、守備でも貢献した。打球へのスタートが早くて、落下地点をキッチリと見極める。

 ファインプレーをファインプレーと見せないのが本当のプロだけど、丸にはそれを感じ取る。

 話は変わるが、野球ファンの間ではMVP(最優秀選手)の話題がぼちぼち出始めている。

 私、丸の加入の大きさを強調したけど、坂本だと思う。

 ショートのポジションで、しかもキャプテンとして1年間、ほぼフル出場してナインを引っ張り続けた。

 丸の守備を評価したが、坂本も守備範囲が広く、何度となく投手を助けてきた。チーム、つまり原監督の2人への評価は「五分五分」かもしれない。でも、われわれ外野席からは何と言っても坂本の存在が光る。

 もう1人、山口俊も候補の一角になるかもしれない。最後までしっかりと投げ続けた。20勝すれば別だったがもう不可能だ。

 こんな話題を取り上げることができるのも、巨人が5年ぶりの優勝が確実になったからだ。

 原監督が胴上げされれば、今後はCS(クライマックス・シリーズ)への展望となっていくだろう。出て来るのは横浜か、それとも広島か。次回以降はじっくりと話していきたい。

 日本球界通算100勝、64年(S39年)に29勝を挙げて阪神の優勝に貢献したジーン・バッキーさんが亡くなった。82歳だった。

 この年の阪神の優勝は彼の獅子奮迅のたまものだった。真っすぐが速くて変化球が切れに切れた。

 手足が長くて、投手らしくない、なんとも言えない独特の投げ方をしていた。64年は文句なしにナンバー1の投手だった。私も苦しめられた。

 外国人で初の沢村賞を獲得した。巨人とは乱闘事件もあったけど、親日家の顔を持っていた。

 素晴らしい投手のご冥福を心からお祈りいたします。

柴田勲(しばた・いさお)
1944年2月8日生まれ。神奈川県・横浜市出身。法政二高時代はエースで5番。60年夏、61年センバツで甲子園連覇を達成し、62年に巨人に投手で入団。外野手転向後は甘いマスクと赤い手袋をトレードマークに俊足堅守の日本人初スイッチヒッターとして巨人のV9を支えた。主に1番を任され、盗塁王6回、通算579盗塁はNPB歴代3位でセ・リーグ記録。80年の巨人在籍中に2000本安打を達成した。入団当初の背番号は「12」だったが、70年から「7」に変更、王貞治の「1」、長嶋茂雄の「3」とともに野球ファン憧れの番号となった。現在、日本プロ野球名球会副理事長、14年から巨人OB会会長を務める。

週刊新潮WEB取材班編集

2019年9月18日 掲載


関連記事

おすすめ情報

デイリー新潮の他の記事もみる

あわせて読む

主要なニュースをもっと見る
社会のニュースをもっと見る
経済のニュースをもっと見る
政治のニュースをもっと見る
国際・科学のニュースをもっと見る
エンタメのニュースをもっと見る
スポーツのニュースをもっと見る
トレンドのニュースをもっと見る
生活術のニュースをもっと見る
地域のニュースをもっと見る

スポーツ アクセスランキング

ランキングの続きを見る

スポーツ 新着ニュース

新着ニュース一覧へ

総合 アクセスランキング

ランキングの続きを見る

東京 新着ニュース

東京の新着ニュースをもっと見る

東京 コラム・街ネタ

東京のコラム・街ネタをもっと見る

特集

特集一覧を見る 動画一覧を見る

記事検索