巨人・原辰徳監督による球界改革の“提言”が止まらない。今オフ、原監督はセ・リーグへのDH制導入を訴えたほか、FA制度による人的補償の撤廃や「現役ドラフト制度」の導入に賛成意見を示すなど、積極的な発言が目立っている。

 巨人OBで野球解説者の篠塚和典氏は、原監督の一連の発言について、こんな見方を示している。

「原監督の発言はOBの誰もが冷静に見ていますね。(今オフの)FA補強がうまくいかなかったことへの焦りもあるのかな。(人的補償の撤廃について)責任がある中で思わず出てしまった発言だよね。来季に向けて、チームとしての方針が定まっていない。思い切って、若手選手にシフトチェンジできる状態でもない。若手にシフトするまで、補強でやりくりするしかないけど、それがうまくいっていない」

 FAの目玉選手だった鈴木大地(ロッテ→楽天)と美馬学(楽天→ロッテ)の両獲りを目指していたが、これに失敗。大物選手を次々に逃して、「FA戦線で惨敗」と酷評されている。巨人の内部からは「調査ミスではないか」との指摘が出ており、編成担当の責任問題になっているという話もある。なぜ、巨人は目を付けていた選手に逃げられたのか。

「昔とは違って、いまどきの選手には『巨人こそすべて』という感覚がなくなってきている。巨人は、引退後の生活保障などはいまだに最高水準といえますが、最近の選手は生活設計をしっかり組み立てている。現役時代から貯金や投資などをして、引退後に備えている選手が多いですね。巨人に移籍して、結果が残せなかったら、周囲からバッシングされますし、それを考えると、無理に巨人に行く必要はないと考える選手も増えていますね」(巨人を取材するスポーツライター)

高すぎる平均年齢

 来季の巨人はどうなってしまうのか。前出の篠塚氏は以下のように指摘する。

「全体的にレギュラーの平均年齢が高すぎますね。大黒柱であるショートの坂本勇人もすでに30歳を過ぎているし、要となるセンターラインの捕手と二塁手のレギュラーが固定できていない。守備面で大きな不安を残しています。吉川尚輝をセカンドで固定できれば、坂本勇人と丸佳浩でセンターラインを盤石にできるのですが、吉川の腰の状態が想像以上に悪いらしく、セカンドでの起用には疑問符がつきます。このため、FAで内野ならどこでも守れる鈴木大地がどうしてもほしかったはずですが……来季も調子の良い選手を使い回す方法しかないでしょう」

 その一方で、巨人は外国人補強を進めている。ゲレーロやビヤヌエバ、クック、ヤングマンなどを次々に切り、メジャー通算1312安打のパーラや韓国・SKの投手だったサンチェスを獲得するなど、戦力を入れ替えている。

「(主力だった外国人選手を)すべてクビにしたのは驚きました。新外国人選手は開幕してみないと、実力を発揮できるか、本当にわからない。キャンプやオープン戦で調子がよくても、シーズンに入るとまったく結果が出ないことが多いですよね。その逆もありますが、過度な期待を持つのは危険です」(同)

 今季5年ぶりのセ・リーグ制覇を達成したとはいえ、日本シリーズでソフトバンクに4連敗を食らい、屈辱にまみれた巨人。来季は、勝ち頭だった山口俊がメジャー挑戦でチームを抜けるなど、不安材料が多い。原監督は、球界改革の提言に熱心になるより、自軍の戦力を固めることに集中したほうがいいのではないだろうか。

週刊新潮WEB取材班

2019年12月15日 掲載