愛甲猛が明かす原監督との超高額賭けゴルフ(2/2)

 本誌(「週刊新潮」)7月2日号で巨人軍・原監督と十数年前から「賭けゴルフ」をしていた50代男性の証言を報じた。それに対し、巨人は高額な賭けゴルフをした事実は一切ないと回答したが、当の男性に再度取材すると巨人の反論は事実と異なるようで――。

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 さて、巨人は7月2日号が発売される前日、代理人を通じて本誌に内容証明郵便を送達。その中では、

〈原氏が十数年前からゴルフでラウンドする知人の中には、このような賭けゴルフを繰り返す人物はそもそも存在しません〉

 そう前置きし、本誌に告発した50代男性とのツーショット写真についても、

〈2007年12月に撮影されたものである〉

 と、ご丁寧に独自調査までなさった挙げ句、

〈原氏も10年以上前から、今に至るまで当該男性と会ったことも連絡を取ったこともなく〉

 などと綴られていたのだが、当の男性は憤然と反論する。

「私は原さんとラウンドするたびに賭けていたので、何を言っているのかという思いです。それから、巨人が楽天と日本シリーズを戦った2013年のオフシーズンに、ゴルフ場で原さんと交わした会話をはっきり覚えています。その日はプレー前に私のほうから『日本一になり損ねましたね』と声を掛けました。この年は4勝3敗の接戦で楽天が初めて日本一になったのですが、原さんは『まあ、いいんじゃないか。今回は東北で……』と、あっけらかんとしているので、『いや、楽天が日本一になるのはまだ早いんじゃないですか』と言い返したのです」

 すなわち“10年以上会っていない”という主張は、明確な誤りだと言うほかないのだ。

 男性はまた、プレー中は「ラスベガス」のほか「5・10・2」(ゴットーニ)と呼ばれるルールがあったと証言している。ストローク1打につき5千円、ホールごとの勝敗は1万円で、さらにハーフの勝敗ごとにも2万円が賭けられるものだが、これとは別に「ベスト」と称するルールも時折、用いられていたというのだ。

「1番ホールで4人が1万円ずつ出し合う。3人がパーで1人だけバーディだとすると、その人が全額貰えます。次の2番ホールで全員がパーだったらお流れで、4万円は積み立てられる。3番ホールで2人がパー、2人がバーディでも、一人勝ちがいないのでさらに4万円積み立て。こうして金額がどんどん膨れ上がる。このルールを初めて聞かされた時、とっさに私は『そんなの原さんが有利に決まってるじゃないですか』と異を唱えたのですが『まあまあ、バーディ獲ればいいじゃないか』って結局、押し切られてしまいました」

 原監督の腕前が玄人はだしであることは7月2日号でも触れた通りで、

「全国からトップアマが参戦する『日本アマ』の選手の平均飛距離が250ヤードくらい。距離だけでなく正確性も必要ですが、原さんは280くらい飛ばしていた。ほとんどツアープロ並みで、数年前のプレーでもめちゃくちゃ飛ばすので『監督、前より飛んでるんじゃないですか』と聞いたら、事もなげに『そうでしょ。若いのに混じって鍛えたんだよ』と。忙しいのに、よくそんな時間があるなあと思ったものです」

年間シートも買って

 そんな監督も、プレー中には俄かに“指揮官の顔”に戻ることがあったという。

「ラウンド中に原さんの携帯が鳴って、あらたまって話し始めました。それからプレーそっちのけで、延々と15分ほど話し込んでいて、周りがしびれを切らした頃にようやく電話を切った。すると原さんは『小笠原(道大)が獲れたよ』と打ち明けたのです」

 FA宣言していた小笠原が、日ハムから巨人に移籍したのは06年のオフであった。

 また、プレー中には時に球団としての「正規の商談」も行われていたといい、

「私の後輩で原さんのファンがいて、一緒にプレーしたいというので連れて行ったのですが、緊張して100近く叩いて大負けしていました。その時、原さんから『東京ドームの年間シートを買わないか』と誘われたのです。断るのも格好悪いので、その後輩と一緒に買うことにしました。すると後日、私の職場にさっそく申込書がFAXされてきて、紹介者の欄には『原辰徳』と書いてあった。勧められた席の値段は110万〜120万円ぐらいしましたが、いくら監督の紹介でも値引きはされない。でも、仕事の取引先に渡すと喜ばれたりして、いろいろ便利ではありましたね」

“ラスベガスなんて知らない”と言い張る原監督と、この男性との交遊を忘却の彼方へと追いやろうとする球団。ふたたび巨人軍の広報部に聞いたところ、

「原辰徳監督と『十数年前から一緒にラウンドしてきた50代の男性』の話については、貴誌6月25日発売号の取材に対しても回答したように、原監督が高額な賭けゴルフをした事実はなく、当球団は代理人弁護士を通じ、記事の全面的な取り消しと謝罪を貴誌に要求しているところです」

 と言うのみ。それでもロッテなどで活躍した愛甲猛氏は、こう話すのだ。

「原さんに限らず、当時のプロ野球選手といえば、ゴルフでも麻雀でも賭けごとなんか当たり前だった。もちろん今とは時代背景が違うし、原さんも立場があるとは思うけど“昔も今もやっていません”というのは、やっぱり無理があると思うんだよね」

 厳然たる事実は、何物にも代え難いのである。

「週刊新潮」2020年7月9日号 掲載