今年6月に幕を上げた世界貿易機関「WTO」の事務局長選挙。当初の下馬評をひっくり返し、ナイジェリア人候補とともに最終選考に駒を進めたのは、韓国の兪明希(ユミョンヒ)氏(53)だった。

 昨年、半導体材料の輸出に関し、日本が韓国を“ホワイト国”から除外した問題で、今年6月、韓国はWTOに提訴。その機関のトップに韓国人が就任するとなれば、日本にとっては大問題である。ところが、

「選考が始まった当初、兪氏は劣勢。彼女の就任はないと日本政府もタカを括っていた」(政治部記者)

 そんな呑気な日本を尻目に、韓国政府は、なりふり構わぬロビー活動。

 在韓ジャーナリスト曰く、

「韓国は選挙戦が始まるや、産業通商資源部と外交部の主導で“選対”を設立。青瓦台も積極的で、文在寅大統領自ら“全精力をWTO事務局長選に注げ”とハッパをかけ、35カ国の首脳に親書を送付した」

 それだけでなく、

「メルケル独首相やプーチン露大統領には直接、対話で支援を要請。7月末に行われたニュージーランド首相との電話会談も、在NZ韓国大使館員による現地職員へのセクハラ問題が注目される中、ちゃっかり事務局長選での支援も申し入れていたんです」(同)

 最終選考進出で、攻勢はさらにヒートアップ。

「今月12日には、大統領主催で、主要閣僚を含めた対策会議を招集。最終選考に残ったことを称え、“さらなる集中を”と厳命したといいます」(同)

 こういうところは、日本も見習うべきか。

「週刊新潮」2020年10月22日号 掲載