加藤一二三九段が敗れ現役に別れ…感想戦行わず足早に帰宅

加藤一二三九段が敗れ現役に別れ…感想戦行わず足早に帰宅

 今季限りでの引退が決定している、将棋の加藤一二三九段(77)が20日、東京・将棋会館で行われた、第30期竜王戦6組昇級者決定戦で、高野智史四段(23)に敗れ、現役最後の対局を終えた。

 敗れれば即、引退となる大一番。20社50人の報道陣が押し寄せる中、加藤九段は気合に満ちた表情で対局に臨んだ。だが、中盤戦ではすでに劣勢となり、必死の粘りも実らず。約63年間のプロ棋士生活に別れを告げる結果となった。

 敗れた加藤九段は、終局前に自らタクシーを手配。投了直前には押し入れから鞄を出し、靴も用意した上で、記録係と観戦記者に「今日は感想戦はなしで」と通告。直後に投了を告げると、そのまま急ぎ足で対局室を出て、エレベーターで1階まで降りると、タクシーに乗り込み、報道陣から身を隠すように将棋会館を後にした。日本将棋連盟によると、観戦記者がいる対局で感想戦を行わないのは「極めて異例」だという。

 加藤九段は1954年、14歳7カ月の若さで四段に昇段し、史上初の中学生棋士に。昨年のデビューから無敗の27連勝を続けている藤井聡太四段(14)に塗り替えられるまで、史上最年少記録だった。デビュー初年度から順位戦で4期連続の昇級を果たし、18歳でA級入りするなど、「神武以来の天才」と称された。

 68年に第7期十段戦で初タイトルを獲得し、82年には名人位も獲得。棋会の頂点に立った。03年には名人経験者として初めて、順位戦B級2組へ陥落したが、その後も将棋への情熱は衰えることがなく、昨年12月には自身の最年少プロ記録を塗り替えた藤井四段のデビュー戦の相手も務めた。

 今年1月、順位戦C級2組で3度目の降級点を取り、フリークラスへの転出が決定。順位戦降格によるフリークラスは原則、60歳が定年となっており、加藤九段はその時点で引退が決定。残された昨年度の全棋戦で敗退した時点で、現役を去ることが決まっていた。獲得タイトルは名人1、十段3、王位1、棋王2、王将1の通算8期(歴代9位)。棋戦優勝は23回で、通算成績は対局数2505(歴代最多)、1324勝(歴代2位)、1180敗(歴代最多)、1持将棋。

 相手が驚くほどの勢いで駒を打ち付ける、相手の背後に回って盤面を見る、ネクタイは常に腰より下までの長さ…といった、対局中の珍エピソードでも知られる加藤九段。とりわけ、食事へのこだわりは群を抜いており、基本的に対局時の昼食はうな重。この日も、定番である将棋会館近くの「ふじもと」の「うな重・竹」を注文した。また、大の甘党としても知られており、「1日に板チョコを8枚食べる」と発言したこともあった。

 独特の言語感覚と奔放な発言で、最近はバラエティー番組などにも引っ張りだこ。「ひふみん」の愛称で、お茶の間の人気者となっている。一方で、敬虔なカトリック教徒でもあり、「パウロ」の洗礼名を持つ。86年にはローマ教皇から「聖シルベストロ教皇騎士団勲章」を授与された。

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