広島の菊池涼介内野手(29)とデイリースポーツ評論家で広島OBの新井貴浩氏(43)が、春季キャンプ特別対談に臨んだ。菊池涼は今キャンプを2軍からスタートさせ、若手の手本にもなってきた。チームリーダーとしての自覚をさらに強くして臨むシーズンについて語り合った。また、日の丸を背負って金メダルを目指す東京五輪についての思いも聞いた。=対談その2

  ◇  ◇

 新井貴浩氏(以下、新井)「広輔(田中)が、もう一度、二遊間をタナキクでやりたいと言っている。まだまだ小園に負けない気持ちは強いよね」

 菊池涼「強いと思います。そういう気持ちでやってほしい。僕は両膝のケガをしたことがある。不安も絶対にあると思うけど、ケガをしてから考え方が変わっていると思う。僕もそうだったし、誠也もそうだった。ケガをした経験が力になると思います」

 新井「長くプレーをしていると、声を掛けなくても互いにわかることがある」

 菊池涼「あります。広輔とはコンビを組んで長いし、あうんの呼吸というのがあります。センターが丸だった時は、僕と広輔、丸の三角形で『任せたよ』と言わなくても意思疎通ができて成り立っていましたから」

 新井「小園と二遊間を組んだことでプレーの幅が広がったのでは」

 菊池涼「小園が守るようになった時は、僕が合わせないといけない。ここは行っちゃいけないとか、ありました。彼は一生懸命だったし、ノビノビやってほしかった。勢いを持って捕球しに来たら、僕が引かないといけない。去年はそういうのがいっぱいありました。僕が二塁を守り始めた時のショートは梵さん。こういう感じでやっていたのかなって感じました。勉強になったし、新しい発見がありました。センターに関しても去年は同じで、野間や西川になると、まだどこまで行っていいのか、どこまで捕りに来ることができるのか。その距離感ですね」

 新井「話が戻るけど、広輔が選手会長になった。アツ(会沢)、キク、広輔がリーダーとして引っ張っていくことになる」

 菊池涼「オーナーが、誠也にはノビノビやってほしいと言われていた。誠也は自信を持っているし、プレミアでもあれだけ活躍して一皮むけたと思います。だから誠也の前を打つ、僕だったり広輔だったりが、重要なピースになります」

 新井「日本代表のことについても聞きたい。去年のプレミア12を見ていて感じたことがある。侍ジャパンの中では、年齢的に坂本(巨人)が年上にいるけど、キクも引っ張っていると感じた。チームをまとめて、引っ張っていかないといけないという気持ちはあるでしょ」

 菊池涼「最初は、そんな感じではやっていませんでした。でも選ばれる回数が増えてくるたびに、新しく入って来る人がいる。中には人見知りの人も。そこで和ますのが、僕とかマッチさん(ソフトバンク松田宣)とか。まずは、コミュニケーションを取らないとうまくいかないというのは絶対にあるので。ひっくるめてでも、みんなでつっつき合ってやるというのは、心掛けています」

 一つになる

 新井「今の侍のメンバーは、団結しているとすごく感じる」

 菊池涼「稲葉監督が熱い方だし、みんなも同じ方向を向いている。期待に応えるには、仲良しクラブじゃだめだけど、チームとして一つになるには、コミュニケーションが大事。僕の一つの仕事だと思っています」

 新井「すごく良いチームだなと思う。プレミア12で優勝をしたから言っているわけではなくて。戦っている時のベンチを見ていても、そう思った」

 菊池涼「雰囲気はめっちゃ良いです。試合に出ていなくても、ベンチからみんなが応援しますしね。そういうところの経験を持って帰りたいとも思いました」

 新井「横のつながり、気持ちのつながりをすごく感じた。東京五輪がすごく楽しみだよ。自分も北京五輪を経験している。プレミア12やWBCはすごい大会だけど、五輪は歴史がある。独特の雰囲気もある。その重圧は経験して分かっている。もちろん金メダルを取るために頑張るんだけど、プレミア12の時のように、日本を代表する選手が必死になって戦っている姿を見たい」

 菊池涼「コミュニケーションを大事にしていきたいですね」

 新井「去年の5月くらいだったかな。その時に稲葉監督が言っていた。カープの選手にはすごく助かる。元気があるし、明るくもしてくれる、とね。キクはムードを作ってくれると言っていた。ケガさえなければ、間違いなく選ばれる。楽しみ?」

 菊池涼「楽しみですけど、僕もWBC、プレミア12を経験してきて、違うプレッシャーや雰囲気があるのかなと思っています。それに東京での開催というところが。注目度が今まで以上に高まって、勝つのが当たり前と見られているかもしれない。また、新しいプレッシャーとか雰囲気の中で、どういうふうにチームを鼓舞しながらやっていくのかは、まだ想像がつかないんです」

 新井「自国開催。今言ったように、勝って当たり前、金メダルを取って当たり前という感じになると思う。重圧は半端ないくらいに感じるはず」

 菊池涼「プレミアでも緊張感はすごくありました。五輪は、それ以上だと思います。グラウンドに立ってみないと分からないかもしれないけど、そこを、うまく逆手にとってできればいいです」

 新井「きょうはありがとう」

 菊池涼「ありがとうございました」