新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて東京五輪の延期を求める声が強まったことを受け、国際オリンピック委員会(IOC)のトマス・バッハ会長(66)は22日、臨時理事会を招集し、延期を含めて開催日程を再検討することを決めた。

 東京五輪の延期の検討に入ったことを受け、日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長(62)が23日、都内で取材に応じた。「安心安全を考えると、延期も検討せざるを得ないと認識している」と容認しつつ、「7月24日の開幕がなくなったわけではない」と未練ものぞかせた。

 前夜、組織委の森会長から延期の可能性を告げられた山下会長は「聞いたときは衝撃が走った」という。ただ、世界的に新型コロナ感染の状況が悪化の一途をたどっていることも把握しており「安全が確保できないなら、それ(延期)以外に選択肢はない」と受け入れる姿勢を示した。

 各アスリートの立場をおもんぱかると苦渋の受け入れだった。現時点で全競技の7割で日本の出場権が確定し、代表選手が決まっている競技もある中で「選考のやり直しも出てくるかもしれない」「夏にピークを合わせてきた選手、これが(現役)最後と思ってきた選手もいる」と悲痛。「(延期時期が)長くても短くても苦渋の決断」としつつ「アスリートのことを考えると長くならない方がいい」と私見も交えた。

 今後は国内の各競技団体と密接に情報共有を図り、選手や関係者の不安を解消していく方針だが、「われわれには何の決定権もない」とポツリ。“まな板の上のコイ”とばかりに無力感をにじませた。