女性特有のからだの不調やトラブルで悩んでいませんか。「お医者さんに行くほどではない…」「デリケートなことなので人には聞きにくい…」そんな体の悩みを、All Aboutガイドであり、ポートサイド女性総合クリニック・ビバリータ院長の清水なほみ先生に聞きました。自分のからだと向き合い、健やかに過ごす手助けとなってくれることでしょう。

 ネットの情報や、一部の自然派志向の方の中には、「生理中は髪の毛を染めてはいけない」とか「生理中は逆さま(骨盤が高い位置になるポーズ)になってはいけない」といった俗説があるようですが、これらには医学的根拠はありません。

 毛染めに関しては、月経中の方が皮膚が敏感になりやすかったり、月経前から月経中にかけて肌荒れを起こす方が多いので、そのような説が発生したのかもしれません。医学的には、皮膚症状がなければ月経中に毛染めをしても何の問題もありません。ただし、毛染めそのものが皮膚や髪の毛にはかなりのダメージになりますので、月経中に限らず、毛染め自体は健康に対するメリットはありませんね。

 月経中に「絶対にしてはいけない」ことはほぼありません。ですが、衛生面や周りへの配慮としてできれば控えた方がいいのがダイビングや海水浴、プールや温泉です。ナプキンを使用することはできませんし、タンポンでもひもを伝って水分が入ってしまうのと、逆にひもから血液がにじみ出ることがあります。

 もし、月経中に水の中に入りたいのであれば月経血カップがおすすめです。あらかじめ予定が分かっていれば、月経がその日に当たらないようにピルでコントロールしておくのが一番安心です。

 また、感染症や内膜症のリスクという点で控えた方がいいのが、月経中の性行為です。いまだに、月経中は「妊娠しない期間=避妊が必要ない期間」だと勘違いしている方もいらっしゃいますが、月経中の性行為でも妊娠することはあります。

 また、出血中に性行為を行うことは、月経血が逆流しやすくなり、腹痛を引き起こしたり内膜症のリスクを作ることになります。月経血に触れるということは、男性側が細菌やウイルスに感染するリスクも高くなりますし、もちろん、月経中の免疫力が落ちた状態での性行為は、女性側の感染リスクも高いと言えます。

 月経中だからといって、特別何かを気にして過ごす必要はありません。むしろ、月経に振り回されず、上手に月経と付き合って、常に自分のペースを保てるように工夫してみるとよいでしょう。

All Aboutガイド・清水なほみ

NPO法人女性医療ネットワーク理事・NPO法人ティーンズサポート理事長。日本産婦人科学会専門医で、現在はポートサイド女性総合クリニック・ビバリータ院長。病院に行きづらいという患者さんの悩みを、現役医師の知識を活かしてサポートしている。