知人の子どもの写真入り年賀状を見て嫌な気持ちになるのは私だけ? 子どもをあきらめた先にはどんな未来があるの? 多様性の理念が浸透しつつある社会で、理想の家族像は旧態依然としている現代。子どものいない女性300人以上に話を聞いた『誰も教えてくれなかった子どものいない女性の生き方』(くどうみやこ/主婦の友社)から、全6回のエピソードをご紹介します。

自分の中にあるダークサイド

 年賀状の家族写真や友人が携帯の待ち受けにしている子どもの写真を見ると、チクッとしたり、イラッとしたり、ネガティブな感情がわき上がってしまう。子どもを望んでいたのに叶わなければ、赤ちゃんや妊婦さんを見て過剰に反応してしまう時期はあります。同じように不妊に悩んでいた友人が先に妊娠して、おめでとうと祝福しながら心がざらつく、自己紹介で2児の母をアピールする人を批判的な目で見てしまうなど、誰の心にも黒い感情は存在します。子どもがいないことは、自分の中にあるダークサイドと向き合うことでもあるのです。ほかの人に嫉妬し、ねたんでしまう気持ちになっても自分を責める必要はなく、その後どういうふうに行動するかが、その人の本質につながっていきます。

ダークな気持ちは上書きして消すようにする

 ネガティブな感情そのままに悪口を言ったり、相手を攻撃したり、愚痴ばかりこぼしたりしては、負のエネルギーで自分も周りも暗くなるだけ。心で思っても、むやみに口に出さず、感情を増大させないこと。人は口に出すと、どんどん感情が高まり拍車がかかってしまいます。ネガティブな感情が小さいうちに、ほかからポジティブな感情を持ってきて消してしまう。もしくは、その気持ちを客観的に見ることも有効です。職場で赤ちゃんを連れてきた同僚がにさわったとき、「子どもができた同僚に嫉妬して、イラついてしまった私」を客観視する。そうすることでネガティブな気持ちに飲み込まれず、冷静な気持ちを取り戻せます。

「子どものいない女性の会」では、参加者全員が同じ立場なので、この場所でなら自分のダークサイドを見せてもいいと、ネガティブな気持ちを話したりもします。ただ終始そういった話では、それこそ負のエルネギーがまん延してしまうため、後半はポジティブな感情で上書きできるよう明るい話題にシフトするようにしています。子どもをあきらめたばかりで心が傷ついているときは、悩んだり、苦しんだり、いら立ったり、ねたんだり、そういった負の感情が心を占める時期があって当然です。それがだんだん沈静化していくと、少しずつ客観視できるようになります。自分の中にあるダークサイドとうまくつきあうこと。そうすれば人格ステージも少しずつ上がっていくはずです。