「疲れが取れない」「気力が湧かない」「体が重くて仕事を頑張れない…」といった“何となくの不調”は、病気と診断されることはなくても日々の活動に大きな影響を与える。人生100年時代といわれる昨今、自発的に動いて学習していかなければ、たとえ会社員であっても今の立場の維持すら危うい。また、急激な広がりを見せる「コロナウイルス」による新型肺炎に世界が恐怖し警戒する中で、改めて“自分のコンディションを整える”ということに注目が集まっている。

 しかし、そんなどんよりとした社会の空気の中でも気力に満ち、毎日ハツラツとエネルギッシュに活動している人もたしかに存在する。こういった常に意欲的な人たちは、その他大勢の人たちといったい何が違うのか…。

『食べる投資 ハーバードが教える世界最高の食事術』(満尾正/アチーブメント出版)は、そんな疑問に答えてくれる、日々の食生活を自分の力に変える方法を紹介している本。ページをめくると、さっそく1ページ目からこう書かれている。

疲れにくく、風邪などの体調不良を寄せ付けず、太ることもなく、若々しさを保持する。頭も常にさえ渡り、クリアな思考で物事をスムーズに、意欲的に進められる人生を手に入れたい――。
そのような思いを抱く方こそ、ぜひ本書を手に取っていただきたいのです。

 そしてこれらをすべて現実のものにできるのが、「食事」であり「栄養」なのだという。つまり「口にするものは全て自分への投資」である、というのが本書の考え方だ。ではいったい、何をどう食べていけばいいのか。

「白米」はダブルでビタミンB1の損失につながる

 一般的に、白米や小麦粉など精製した「白い食べ物」は体に良くないため、できるだけ玄米やブランパンなど自然に近い状態のものを食べた方が良いといわれている。以前からここに焦点を当てた本も多数出版されており、どうやら栄養の多い部分がそぎ落とされ糖質のみが残っているため、血糖値が上昇しやすく体に悪いらしい、というところまでは比較的知られている。

 しかし本書によると、白米にして食べることで「ビタミンB1」の損失にもつながるのだという。体内に取り込んだ糖質を分解する際、「ビタミンB1」が消費されてしまうというのだ。玄米ならば「ビタミンB1」が豊富に含まれているためこの損失を補うことができるが、白米ではただただ消費されていく。江戸時代に「ビタミンB1」不足による「脚気」が大流行したのも、白米が普及したことが原因なのだそうだ。

ビタミンDはパフォーマンスに大きく影響する

 日本ではあまり注目されていないが、「ビタミンD」は骨の健康や免疫力増強、神経機能の維持、炎症の抑制など「ほぼ全ての生理学的な機能に影響を与えている」といわれるほど非常に重要な役割を担っているという。「ビタミンD」はビタミンとしてカテゴライズされていながら実はホルモンに近い存在だそうで、ほかの栄養素が入り込めない脳の部位を難なくすり抜けたり、細胞膜を越えて核に直接作用したりする特殊な性質を持っている。

 つまりこの「ビタミンD」が不足すると、あらゆる体調不良やパフォーマンス低下を起こしてしまう。そして「ビタミンD」を補充するには、(1)日に当たる、(2)鮭や青魚を食べる、(3)サプリメントで摂る、の3つの方法しかない。紫外線を気にして日光を避ける生活を送り、魚を食べる機会も減っている現代では、意識して摂らなければすぐに不足してしまうだろう。

 本書では「ビタミンD」を摂取したことで長年悩んでいたアトピーが改善したというエピソードも紹介されており、同じく長年悩んでいる身としては非常に気になる。最近体調を崩しやすい、自分はアレルギー体質だ、という人は、「ビタミンD」の摂取を心がけてみると良さそうだ。

 このように、本書には「パフォーマンスの向上」というところに焦点を当てた栄養や食材、理由などが細かく記されている。さらに第2章〜第3章では、毎日の習慣にしたい7つの“食べる投資”として、「納豆」「食物繊維」「魚」「野菜」「ココナッツオイル」「鉄分とビタミンB群」「DHEA(ホルモンの材料)」を挙げ、より具体的な効果から食べ方、レシピも掲載されているので、この本を見ながら実際に自分で実践していくことが可能なのだ。

▲投資食材「納豆」の具体的なレシピ例。

 高価な食材や入手しにくいマニアックな食材を使用するのではなく、ちゃんと日常的に取り入れられる食材が挙げられているのも嬉しいポイント。筆者もこの『食べる投資 ハーバードが教える世界最高の食事術』を読んで、すぐに玄米と納豆、青魚を買いに行った。

文=月乃雫