合格通知を受け取り、春から大学生になる皆さん、そしてご家族の方々、合格おめでとうございます! これから始まる新しい生活に、大きな期待と一抹の不安を抱えている方も多いのではないでしょうか?
 
 親元を離れて初めての一人暮らし、アルバイトなど、がらりと環境が変わるタイミング。人として大きく成長するチャンスであることは間違いないのですが、その反面、さまざまな危険や落とし穴も潜んでいます。『大学生が狙われる50の危険』(三菱総合研究所ほか/青春出版社)は、そんな大学生活を始めるうえで押さえておきたい50の危険とその対処法をわかりやすくまとめた1冊。そこからいくつか紹介してみると――。

サークルやボランティアを装った勧誘の“罠”

 入学したばかりの新入生を盛大に迎えてくれるのが、部活動やサークル活動の勧誘。優しそうな先輩たちが入学を祝福してくれると同時に、部やサークルの魅力を紹介してくれます。
 
 引く手あまたで喜ぶだけでなく、気を付けなければならない点は、それらの中には“怪しげな団体”も紛れ込んでいるということ。2019年の学生生活実態調査によると、大学入学後に遭遇したトラブルの第4位は、「宗教団体からのしつこい勧誘」です。学生から経済的に搾取する悪質な宗教団体や、反社会的な活動を行う団体には注意が必要です。

「断りづらいから…」となんとなく話に乗ってしまうと、会費と称して高いお金を払わされる。活動への参加を強要され、授業への出席が困難になる。辞めたくても抜け出せなくなる。自らも勧誘活動に手を染め貴重な友人を失う…などなど、多大な損失を被ってしまうかもしれません。
 
 怪しい勧誘への対処法は、とにかく断ること。そして迷ったときには親や友人に相談することも大切です。周囲への相談が難しい場合などには大学の相談窓口を積極的に利用しましょう。

未熟さにつけこまれる、ブラックバイト

「ブラック企業」だけでなく、「ブラックバイト」という言葉をしばしば耳にするようになりました。実はこのブラックバイトは、大学生が引っかかってしまうケースが多いといいます。
 
 大学生がアルバイトをする目的として、レジャーや衣服代のためにということが挙げられますが、これらの割合は減少傾向にあり、現実としては「生活費を稼ぐため」という切実な理由によってアルバイトに勤しむ学生が多いようです。

 社会経験が未熟な大学生は、ブラックな職場にとって好都合の働き手として扱われてしまうことも少なくありません。売れ残り物を無理やり買わされた。勤務シフトを強引に決められ、大学に行けない。準備や片づけの時間に給料をつけてもらえなかった…などなど、大学生のアルバイトではさまざまな労使トラブルが多発しています。
 
 大学入学を機に、初めてのアルバイトをするという方も多いでしょう。仕事を選び働き始める前に、契約の内容をしっかり確認し、働いてみておかしいと感じたら、親や友人、大学の窓口に相談するように心掛けましょう。

大学生の死因の約半数は自殺!? こころの不調やひきこもり

 社会人だけでなく、大学生にとっても“こころの不調”は大きな問題です。入学直後は、大学生活に対する理想と現実のギャップや、新しい環境への不適応で、大きなストレスを感じることがありあます。さらに進級するにつれて将来に対する不安を抱いたり、就職活動で挫折感に苛まれてしまうことも少なくないようです。
 
 ストレスは、不眠や倦怠感を引き起こし、進級や卒業にも影響を及ぼしかねません。それどころか、大学生の死因の約半数は自殺であり、病気や事故よりもはるかにリスクが高いというデータもあるそうです。就活が思い通りにいかなかったり、大学に馴染めなかったりなどして、ひきこもりになってしまうこともあります。

 これから大学生になる皆さんにとって、こころの不調は想像よりもずっと身近な問題です。まずは、こころの不調は「情けないこと」「恥ずかしいこと」ではなく、「きちんと治療すれば治る病気」であるということを知り、少しでも困ったことがあれば周囲に相談できるようにしておくことが大切です。もし精神的な不調が続いたり、ひきこもりがちになったりした場合は、早めに専門医やひきこもりに関する地域支援センターなどに相談してみましょう。

 本書には他にも、セクハラやパワハラ、SNSトラブル、奨学金など多くの大学生が遭遇する問題や、大地震など自然災害に関する対策知識まで、大学生活を始める前にぜひ読み、傍らに携えておきたいトピックが豊富に詰め込まれています。親子で一緒に手に取ってみるのもいかがでしょうか。
 
 これから大学生になる皆さんの新しい日々が、多くの学びに満ちていて、そして何よりも健康・安全であることを多くの人が祈っています。

文=K(稲)