『週刊ダイヤモンド』8月8日・15日合併号の第1特集は「コロナで激変!大学 入試・序列」です。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、大学は緊急対応に追われ大混乱。企業や小中高校は活動再開となっているにもかかわらず、大学だけはいまだ“キャンパス封鎖”が続く状態。学生からの悲痛な叫びも聞かれます。これに大学はどう応えるか。さらにコロナが変える人気学部と大学最新序列、コロナ禍で行われる入試について緊急取材しました。


卒業生の年収が高い大学ランキング!【ベスト30位・完全版】


「まるで課題地獄…」
学生たちの悲痛な叫び

 緊急事態宣言が解除された今もなお、多くの大学の門は閉じられたままだ。

 新型コロナウイルスのまん延によって大学の構内に立ち入れなくなって久しい。今年大学に合格した新入生に至っては、入学試験のとき以来、一度も大学に足を踏み入れていない学生がほとんどだ。

 6月に入り、コロナの感染拡大に歯止めがかかってきたことで、ようやく大学の門が開きつつあった。だが、全国的にコロナ感染者が再び増加し始めたのに加え、7月下旬に横浜国立大学や京都大学で相次いでクラスター(感染者集団)が発生したのに伴い、再び大学は門を閉ざそうとしている。

 片や、小学校や中学校、高等学校は緊急事態宣言が解除された6月以降、感染対策に留意しつつ平常通りの学校活動を再開し、授業の遅れを取り戻そうとしている。

 にもかかわらず、なぜ大学だけがこんなにも慎重なのか。その理由は大きく三つある。

 まず、小中高に比べて、構内にいる学生数が時には万人単位となるなど桁違いに多いこと。次に、講義ごとに頻繁に教室を移動するため、学生同士の接触頻度が高いこと。そして、学外での学生の行動範囲が広いことだ。実際、大学発のクラスターは、サークルでの会食やクラブ活動などを通じて一気に広がっている。

 ここで大学関係者の頭に浮かぶのは、3月末の京都産業大学の学生発のクラスターだ。しかも、京都市長が京産大の学長を伴う形で会見を開き、謝罪する事態に追い込まれた。

 3月上旬から中旬にかけて、欧州に卒業旅行に出掛けた京産大生がクラスターの発端となったわけだが、出国時点では旅行先に入国禁止措置は出ていなかった。

 だが、帰国後に特段の症状がないからといって卒業祝賀会などに出席したのがまずかった。ここで一気に感染が広がったからだ。

 京都市長は外務省などのアナウンスには従ったなどと学生をかばってみせたが、その後、京産大生に対して「火を付けてやる」「感染している学生の名前や住所を教えろ」といった脅迫行為や、京産大生というだけでアルバイトを解雇されてしまうなど、ヘイトまがいの行為が横行したという。

「大学生の行動はコントロールできない。うちも京産大のようになるかもしれない……」

 こうした思いが大学関係者の心に刻み込まれた。故に、大学は門を開くことにちゅうちょしているというわけだ。

 だが、大学側にこうした事情があるにせよ、一番割を食っているのは学生たちであり、不満が大きく渦巻いている。

「どうしてこんなに課題が多いんだ。まるで課題地獄だ!」

 今、多くの学生たちはこうした怨嗟の声を上げている。無理もない。5月ごろから本格的に始まった、対面授業の代わりのオンライン授業で出される課題の多さに、学生たちは振り回されている。

(ダイヤモンド編集部編集委員 藤田章夫)

訂正 記事初出時より以下のように表現を改めました。
10段落目:だが、帰国後に感染が判明したにもかかわらず、特段の症状がないからといって卒業祝賀会などに出席したのがまずかった。→だが、帰国後に特段の症状がないからといって卒業祝賀会などに出席したのがまずかった。(2020年8月26日 0:43 ダイヤモンド編集部)