100人いれば100通りの人事制度〜進めよう!中小企業の働き方改革〜

2019年9月3日、ザ・グランドホール品川で中小企業の経営者・人事総務担当者に向けた特別フォーラム「進めよう!中小企業の「働き方改革」 〜実例から学ぶ<成功の秘訣>とは?〜」が開催されました。
働き方改革関連法により、労働のルールや価値観が変化している日本社会。
働き方改革を進めるにあたって直面する課題や問題点は企業によって異なります。
本フォーラムでは中小企業に対して、すでに働き方改革に取り組んでいる企業から先進事例の発表がなされました。

さまざまな制限を取り払う

働き方改革は単に長時間労働を減らすことが目的ではありません。
人口減少が続くなか、いかにして生産性をキープしながら残業を削減するか。
また、格差をなくしていくか。
そのためには社内のさまざまな制限を取り払っていく必要があります。
今回は本フォーラムの講演をもとに、「Kintone」などのクラウドサービスを展開する株式会社サイボウズの取り組み例を紹介します。
同社の「働き方改革」を語ったのは、チームワーク総研シニアコンサルタントの松川隆氏です。

株式会社サイボウズの事例

100人いれば100通りの人事制度

サイボウズが掲げるのは、公平性よりも幸福度を重んじた100人100通りの人事制度。
従前25%超の高い離職率だった同社は、離職防止、制度の方針を変え、個性を重んじる風土になったといいます。
このとき取り組んだのは、制度をは変えるのではなく増やすこと。
離職率の低下を実現し、5%程度まで抑えることに成功しました。
そんなサイボウズの人事制度の根幹にあるのは「制度・ツール・風土は三位一体」という考え方です。
制度を整えることに注力する企業は数多くありますが、いくら制度があったとて、それが使えなければ意味がありません。
そこで、制度を使えるようにとツールを導入し、さらには制度の利用を妨げない風土作りにも力を入れています。

<制度>

・ 全社公開の働き方宣言
・ 育自分休暇6年間
・ 子連れ出勤
・ 副業の自由
<ツール>
・ リアルオフィスとバーチャルオフィス
・ 全会議室にテレビ会議システム
<風土>
・ 公明正大、嘘のない風土
・ 自分の価値観を他人に押し付けない

また会社・従業員の双方間の自発的なコミュニケーションを意識付ける「説明責任と質問責任」という考え方も紹介しており、心理的安全性の確保できる風土を作っているように思いました。

石垣を作るように個性を活かす

最近ではリモートワークが浸透しつつあるものの、日本はまだまだ働く場所に囚われています。
通勤できる距離に住み、出勤できる環境を整え、決まった時間そこにいて業務に取り組む…テクノロジーが発達しているのであれば、この枠に収まる必要はありません。
さらに松川氏は「報酬は給料だけではない」とも語っており、価値観の変化を受け入れている印象を受けました。
個人の幸福とは、会社が決めるものではなく、本人がどうありたいか決めるもの。
ポジティブアプローチという観点からも、非常に大切な考え方です。
サイボウズでは、制度・ツールの活用により、リアルオフィスのみでは出会えなかった人材の確保を実現しています。
これも一億人総活躍社会の実現には欠かせない要素です。

会社とは、仕事のやり方とは?

固定概念は可能性を潰してしまうリスクがあります。
使えない制度を作ることに奔走するのではなく、「働き方改革」は会社の理想像や目標を再確認する機会にしてください。
長期的な視点で、どうなりたいか。
ぜひ「石垣を作るように個性を活かす」ことを意識してみるのはいかがでしょうか。


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